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幻想郷に最近出来た娯楽施設が有る。 幻想総合電動遊戯場、所謂ゲームセンターである。 それまで娯楽といえば宴会くらいしかなかった人々にとって、まさに衝撃的だったその施設は、瞬く間に幻想郷に浸透していった。 その中でも、人気の高い筐体があった。 ~Story starts from the Forest~ ここは、大きな森の中。 大地に根を走らせた巨木の下に、あるゆっくり霊夢の巣があった。 大きな根とたまたま下にあった空洞が絡み合い、大きくてコケがふかふかの素敵な巣だった。 「ゆっくりおきてね!」 朝。 他のゆっくりを起こしたのはお母さんゆっくり、その声に反応して子供達も起き出した。 「ゆっくりねむってたよ!」 「きょうもゆっくりしようね!」 「おかあさん、おなかすいたよ!」 静かだった巣の中が、とたんに騒がしくなる。 総勢20人は居るだろうか? それだけ居ても、余りあるほどこのこの巣は広かった。 「ゆっくたべてね!!!」 「「ゆっくりいただきまーす!!!」」 子供達の大合唱をスタートサインに朝食が始まる。 「うめぇ!これめっちゃうめぇ!」 「ゆっくりたべていいからね」 「ゆっくりたべさせるよ」 「むしゃ、おねえちゃんありがとー」 「あまーい!!」 大きい霊夢が小さい霊夢にエサを与える。 上手く食べれない赤ちゃんには口移しで食べさせてあげる。 今日の朝ごはんは、柿だった。 昨日、みんなでお散歩した途中で見つけて一本分、丸ごともいできたのだ。 まだまだ数が十分にあるそれは、ただ眺めているだけでもうっとりとするものだった。 「きょうもいっぱいゆっくりしようね!!!」 子供達といっしょに巣の外に出る 今日も日課のお散歩だ。 「ゆっ♪ ゆっ♪」 「あんまりはなれないでね」 「いいてんきだね」 「ゆっくりできるね!」 仲良く固まって移動する。 木々の間を抜け、途中の沢で水を飲み、家族で蝶を追いかける。 気が付けば、人里まで足を伸ばしていた。 「ずいぶんとおくまできたね」 「きょうはゆっくりさんぽしようね!」 「ゆゆっ! あそこなんだろう?」 「すごい! 人が一杯居るよ!!!」 「みんなゆっくりしてるのかな?」 興味をそそられて、その場へ向かうゆっくり一家。 「! すごいおと!」 「すごい、絵が動いてるよ!!」 中はとても賑やかだった、人々は各々ゲームに熱中しており、迷い込んできたゆっくり達を気に止める者はいない。 「あっちに、もっとひとがいっぱいいるよ! 一匹のゆっくりが見つめる方向、そこには大きな箱の周りを沢山の人が埋め尽くしていた。 「なんだろう」 「なんだろう」 甘いものに吸い寄せられる蟻のように向かっていくゆっくり達。 箱の周りまで来たのだが、それ以上は人ごみのため近づくことが出来なかった。 ガラスで出来ているのだろうか? 透明な大きな壁をした大きな箱だった。 「はこのなか、みたいねー」 「ねー」 「お譲ちゃん達、どうしたのかな?」 声をかけたのは、ゲームセンターの店員だった。 何処でどう間違ったのか、このゲームセンターの店員は皆、タキシードを着ていた。 「おにいさんだれ? れいむたち、あのはこのなかみたいの」 お母さん霊夢が男に尋ねる、子供達霊夢も後に続く。 「みたいの」 「おにーさんだれ?」 「お兄さんは、ここの店員だよ。あの箱にはゆっくり達が入ってるんだよ」 ニッコリ、と微笑みながらゆっくり達に説明する。 おそらくマニュアルでもあるのだろうが、ゆっくりには随分と優しそうに映ったようだ。 「あのなかにゆっくりがいるの?」 「ゆっくりできるの?」 「うん、人はみんな、ゆっくり達と遊んでるんだよ」 「! おじさん、れいむたちもあそびたい! ゆっくりしたいよ!」 「ゆっくりさせてよ!」 お母さん霊夢とお姉さん霊夢が訴える、次第に赤ちゃん霊夢にまでそれは伝染する。 「いいよいいよ。けど、今はゆっくり魔理沙の家族が入ってるから後にしたほうがいいね。 最初に見つけたとき、ここは魔理沙達のお家だよって他のゆっくり魔理沙に乱暴していたから」 こっちで待ってるといいよ、そう言って店員は裏方に霊夢達を案内する。 沢山の景品が並んだ倉庫、中でも大きなダンボールが沢山並んでいた箇所にゆっくり達は連れて行かれた。 「もう直ぐ終わるから、ちょっと待っててね」 「「「うん! ゆっくりまってるよ!!!」」」 何処で教育されたのか、ホスト張りの笑顔を残して去っていく店員。 「やさしそうなひとだね!」 「かっこいいね」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛、ゆ゛っく゛り゛ー」 「おかあさんどうしたの?」 「だいじょうぶ? ふるえてるよ!」 「うううううっ! すっきりー!!」 次に店員が戻ってきた時は、それから一時間ほど後だった。 「やあ、お待たせ。じゃあこれから案内するね」 その前にこれに入ってね。 そういわれて、一匹ずつ箱に入れられる。 底以外が、一部透明になった変わったデザインの箱だ。 「ゆ! なにこれ!」 「ちょっとせまいよ」 「ゆっくりだしてね!」 体の大きさごとに箱のサイズが多々あるが、総じてどれもゆっくりの体ギリギリに作られていた。 その所為で、箱に入れられると、文句を言い出すゆっくり達。 暫く文句を言っていたが、互いに箱詰めされた姿を見ると一転する。 「みんなかっこいいね!」 「すごいね!」 箱は全体の八割ほどが、星型、ハート型、四角丸、など様々な形にカットされている。 その周りは原色が惜しみなく使われた、とても華やかな箱。 「かっこいいだろ! そのままみんなに見せるんだよ!」 店員が話しながら、箱にお菓子を入れて蓋を閉じる。 初め不満を言っていたゆっくり達は、その頃にはもうご機嫌だ。 はやくつれていってね、の大コールまで起こっている。 「それじゃあ、運んでいって」 店員の指示で運び出されるゆっくり達、程なくして目的の大きな箱の前に到着する。 バッと道を開ける人々、ゆっくり達はなんだか偉くなった様な優越感に浸っていた。 「みんな、ゆっくりしていってね!!!」 ニコニコと人々に話しかける、対して人々もゆっくり達を見てニコニコしている。 箱の中に全員が入れられる。 数が多いので、一部は二段重ねになってしまっているが、箱の大部分が透明なおかげで、下のゆっくりも辺りを見渡すことができた。 「うっわー!」 「すごーい!」 そこから見る景色は、今まで見てきたものと大きく違っていた。 自分達が見ることの出来ない高さからの眺め、それを見ているゆっくり達。 全員、その光景に息を飲んでいた。 「ゆ?」 一人の男が、周囲の人ごみの中から自分たちに近づいてきた。 「おじさんもゆっくりするの?」 「「「ゆっくりしていってね」」」 十数匹の笑顔を一斉に浴びる男、対する男の表情は真剣そのものだ。 おかねを入れレバーを動かす、連動して動くクレーン部分。 ゆっくり達も、それに気が付いたようだ。 「ゆっ♪ すごい、すごい」 「おじさん、こっちにもうごかしてね♪」 突然、縦横無尽に動いていたそれが止まる。 気になったゆっくり達が再度男を見ると、違うボタンを押していた。 それによって、今度は下に下がってくる。 「ゆゆっ! よくみえるよ! おじさんありがとう♪」 「いいなーいいなー。おじさん!つぎはれいむにもよくみせてね♪」 「よくみえるよ! っゆ?」 パコン、と音がしてキャッチャー部分と箱がぶつかった。 「おじさん! ゆっごいよくみえるよ!!」 箱の横に迫ってくる二本のアームに気付かずに、興奮しているゆっくり霊夢。 「!?」 気付いた時には箱ごと宙に浮いていた。 「ゆ! すごい! ういてる」 「すごーい!」 「れいむもしてほしいよ!」 感激する一同を尻目に、クレーンは箱を落とすことなく始発地点まで戻っていく。 「わぁい! おそらをとんでるみたい♪」 無事、始発地点まで戻ってきた。 上手くいった様だ。 「ゆ!」 一瞬の間の後、底に空いた穴に落とされる。 緩やかなカーブを描き、二・三度の衝撃の後に静止した箱。 「ゆ? ゆ?」 突然、何もない場所に移ったゆっくり霊夢は、辺りを伺っていたが、直ぐに箱を持ち上げられる。 目の前には先ほどまで機械を操作していた男の姿。 「おじさん? ゆっくりしようね! いっしょにあそぼうね」 「……」 だが、男はそのまま箱を持ってその場を後にしようとする。 「おっおじさん! おかあさんたちはあっちだよ! あっちでゆっくりしようね!」 そのまま、騒いでいるゆっくり霊夢に耳を貸さずに出て行ってしまった。 ゆっくり達が居る台からも、その様子はよく見えた。 「今のはなかなか生きが良さそうだったなぁ」 「あぁ、上手そうだった」 周りの人の声。 そこまで聞いて、ようやくゆっくり達も理解したようだ。 微笑ましかった内部から、聞こえ始める叫び声。 「もどっできでよー!」 「ゆっぐりじでいっでよー!」 「だして! だしてよ!!」 「おうじがえるー!!」 既に他の人がクレーンを操作しているが、パニックになっているゆっくり達は一匹たりとも気付いていない。 そうこうしている内に、また一つの箱が宙に浮いた。 「ゆ゛っ! やだ! はなして! はなしでよ!」 その必死の懇願が効いたのか、途中で落下する箱。 「ゆっ! ゆっくりできるよ゛!」 「よがっだね! よがっだね!」 「ゆっくりしてね」 家族に安堵感が伝わった。 その直後。 「!? ……ゆっぐりじだけっががごれだよ!!!」 再び動き始めたクレーン、再度アームに捕らえられた箱。 「ゆ゙ーーー!!!」 今度は無事、落とさずに運ばれた。 景品物から取り出されたゆっくり霊夢。 狭い箱の中で無理矢理体の向きを変え、頬を押し付けられながら家族の方へ向き直る。 「もっど、みんなどゆっぐりじだかっだよ!」 そう言いながら段々と離れていく、家族の叫び声ももう聞こえなくない。 その後、七人がやって四人がゆっくりを取っていった。 スプリング自体は割と強力なので、箱にギュウギュウに詰まったゆっくり達が暴れても落ちることはない。 一方、既に五匹も取られていったゆっくり家族は大混乱だ。 絶叫をあげて泣き出す子供達。 だれかれかまわず助けてと懇願するお母さんゆっくり。 無理矢理にでも、箱から出ようとするモノもいた。 「ん! んしょ! あかない! どこもあがないよ゛ー!」 箱を閉める時に、プラスチックを溶かし完全に密封された箱。 空気穴はあいてはいたが、針の穴ほどの大きさでは食いちぎることも出来ない。 ケースの中は、阿鼻叫喚と化していた。 そんな中、とうとうお母さんゆっくりの箱が浮き出した。 「ゆゆゆっ!」 「「おがーざーん。う゛わ゛ーーーーん゛゛!!!」」 機械を操っているのは、長い髪の小柄な少女。 綺麗な青い髪が印象的な少女は、いとも簡単に大きなお母さんゆっくりの箱を取ってしまう。 おおー、言う周囲の人の声も気にせず、箱を抱え軽く会釈をして帰っていく少女。 残された子ゆっくり達に、一瞥の暗い冷たい視線を残して。 母親が居なくなってしまったゆっくり達。 支えが居なくなった家族は、ただ泣き叫ぶだけだ。 一匹、また一匹と取られる度に大きくなる声。 取られた方も、残った方も大声で叫びあう。 最後の一匹が取られるまで延々とその光景が繰り返された。 増えすぎ、畑・室内に勝手に出没して荒らしていく物体。 その物体、ゆっくりを使った、人気ゲームの一つ、『ゆっくりきゃっちゃー』。 今日も幻想郷のゲームセンターは賑やかだ。 ~In the Forest Again~ その頃。 「うっめぇ! これめっちゃうめぇ!」 あのゆっくり霊夢家族の巣の中で、蓄えていた柿を食べているゆっくり魔理沙一家。 「うめぇ! おかあさん、ここまりさたちのおうちにしよう」 「まえのおうちよりおおきいし」 「かきもいっぱいあるよ!!!」 「だれもいないのがいけないんだよ!!!」 「「「ねー!」」」 どうやら引越し先が決まったらしい。 「あれ、報告じゃ霊夢種だったんだが……。まぁいいか。おい!」 「「はーい!」」 引越し先はガラス張りの綺麗な箱になりそうだ。 To be next
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艦隊これくしょん 攻略(艦隊これくしょん) 艦これゆっくり実況 mylist 艦これ実況 nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 youtube プラグインエラー 正しいHTMLタグを入力してください。 link[[ tag[[ community[[ dic[[ pic[[ channel[[ back
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注意書き 虐待お兄さんが行方不明になります ゆっくりが普通のゆっくりとは違います 以上 日が沈みかけ、薄暗くなってきた山の中にゆっくり達の悲鳴が木霊していた。 「もうやだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!だずげでえええええええええええええええええええええ!!!!」 「おねがいだがらもうやべでくだざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 叫び声をあげるゆっくり達の中には一人の男が居た。 麓の村に住んでいた男だが、男は己のことを『虐待お兄さん』と名乗っていた。 趣味はゆっくりを虐待し、殺すこと。 だから男は今この上ない幸福を感じていた。 何故なら、ゆっくりを己の手で痛めつけて殺しているからだ。 無様に喚き、悲鳴を上げ、何もできずに死んでいくゆっくりが男は好きだった。 正確には、ゆっくりを殺す事が男は好きだった。 右腕で殴り、左腕で投げ、右足で踏み、左足で蹴る。 己の四肢を振るうだけでゆっくりは死んでいく。そんなにもゆっくりは脆かった。 中にはもちろん抵抗するゆっくりも居たが、人間に敵うわけがなく男に殺されていった。 「おちびちゃんたちはいそいで逃げてね!! まりさが囮になるからね!!」 「まりさごめんね…… 急いで口の中に入ってね!! ゆっくりしないで逃げるよ!!」 「みゃみゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 家族を逃すため囮になろうとしたまりさは掴まれ、逃げようとしたれいむにぶつけられた。 口の中に居た子ゆっくりは潰れ、親のまりさとれいむももう動かなかった。 「人間なんかれいむ達の敵じゃないよ!!!! ゆっくり死んでね!!!!!」 「「「「「「「ゆっくりしんでね!!!!」」」」」」」 仲間と一緒に体当たりを仕掛けてきたゆっくりは、一匹残らず殺された。 ただ潰されたゆっくりは幸せだっただろう。数匹のゆっくりは底面の皮を破くだけで男は済ました。 動けば中身がこぼれて死ぬ。動かなくても徐々に中身がこぼれていって死んでしまう。 迫り来る死という恐怖に泣き叫ぶゆっくりの姿は相変わらず滑稽で、男の顔は笑っていた。 普通の人間であるならば、これだけの悲鳴を聞いていれば発狂するだろう。 しかし、男は『虐待お兄さん』である。今この場で感じているのは愉悦だけだ。 逃げるゆっくりも立ち向かうゆっくりも、どんどん男に殺されていく。 そして、最後に残った一匹のゆっくり。成体のゆっくりれいむが震えていた。 逃げようとしても、立ち向かっても男に殺されるのはもう分かりきっているのだろう。 どんな風に虐待しようか『虐待お兄さん』の男が考えていると、ある事を思いついた。 やわらかいゆっくりの体を持ち上げて、両手でゆっくりの頭頂部を男は掴む。 「な、なにするの!! ゆっくり離してね!!」 喚くゆっくりを無視して男は手に力を込め、真っ二つに引き千切ろうとした。 「おにいざんやべでね!! 痛いからはなじでね!!」 男がゆっくりの願いなど叶えてやるわけがなく、弾力のある皮はどんどん伸びていく。 「やだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! じにだぐないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 そんな風に叫びながら、れいむは千切られた。 男の手にはちょうど半分に分かれたれいむがあり、片方は投げ捨てもう一つは持ち帰る事にした。家へ帰ってから食べるつもりである。 周囲を見渡してもゆっくりはもういないようなので、男は山を降りる事にした。 ゆっくりを追いかけてどんどん奥まできてしまい、帰るのが面倒だと男は思った。 男が去ってから少し経つと、一匹のゆっくりの残骸が震え始めた。 いや、一匹だけではない。見ればどのゆっくりの残骸も震えていた。 やがて一匹のまりさの残骸から腕が生え出して、徐々に元の丸い形に戻り始めた。 何秒も待たずにまりさは元の姿に戻り、辺りを見回してから息を吐いた。 「さて、今日もお疲れ様なんだぜ」 「お疲れ〜」 「一人だけだったね」 「でもこんなことよくやるよ」 「他の人間さんは忙しそうなのにねぇ」 まりさの声に反応して元の姿に戻ったゆっくり達は好き勝手に話を始めたが、男に残骸を撒き散らされてしまったゆっくりはまだ戻れていなかった。 「じゃ、いつもみたく先に元の姿に戻れたやつはまだ戻れてない奴の手助けをしてほしいんだぜ。戻れてない奴はどんどん助けを近くの奴に求めるんだぜ」 手を叩きながらまりさは指示を飛ばす。どのゆっくりも文句の一つも言わず指示通り動き始めた。 「あと数合わせで分裂した奴もちゃんと元に戻すんだぜ」 「しょうだよ!! もどらなかったらみんなこんな風に自我をもっちゃうよ!!」 まりさの言葉に続くように一匹の小さなれいむがまりさの隣でふよふよ浮きながら言った。 「お前さんも手伝ってくるんだぜ」 「みゅ〜… 面倒だよぉ…」 「そんな事は通用しないんだぜ」 「わかってりゅよ!!」 小さなれいむはふよふよと飛んでいく。その姿を見送ってからまりさもふよふよ浮き始める。 元の姿に戻ろうとしている仲間の残骸を集める作業に入るのだ。 残骸を集めるのは実に大変である。 ある程度の距離ならば勝手に残骸と残骸が勝手にくっ付いて元の姿に戻ろうとするのだが、撒き散らされてしまってはくっ付くことはできない。 放っておいても一番多く集まった残骸が中途半端に復元され、時間を置けば徐々に修復される。 しかし、この群れはもうあの『虐待お兄さん』に潰されてしまった群れなのだ。 それなのにこの場に留まっていてしまっては、流石に人間にだって怪しまれてしまう。 ゆっくりはあくまで『愚鈍で馬鹿で意地汚い動く饅頭』でなければならない。この秘密を人間に知られない為にも、今は一刻も早くこの山から離れなければならないのだ。 「困りました……」 まりさが仲間の残骸を集めていると、半分だけのれいむが俯いて浮いていた。 『虐待お兄さん』に最後真っ二つにされ、片方を持っていかれてしまったれいむだ。 「まあ、お前さんは仕方ないんだぜ。どうせ少ししたら元に戻れんだから人間に見られないように移動するしかないんだぜ」 食べられたりすれば適当に復活できるゆっくりではあるが、流石に中途半端に食べられてはそれも無理である。 このれいむは自然に修復されるまで待つしかないのだろう。 だが、れいむの返事は違った。 「いえ、別に元の姿に戻れないの事で困ってるんじゃないんです」 「? どういうことなんだぜ?」 「実は……」 山を順調に下っていた男は一つの違和感に気づいた。 最初は気のせいだと思っていたのだが、どうやら気のせいではないらしい。 右手に持っていたゆっくりれいむの半身がもぞもぞ動き出していたのだ。 不思議に思いながらゆっくりを顔の前まで持ってくると、断面から餡子がこぼれなくなっていた。 断面の方を見てみると餡子がこぼれない理由が分かった。餡子が消えていたのだ。 ゆっくりの中身である筈の餡子は見事に無くなり、断面には何もない空間が広がっていた。。 最初は餡子がこぼれて皮だけになったと思ったのだが、どうやら違うようである。 男が手を突っ込んでみると、男の腕はそのまま入ってしまったからだ。 いくら成体のゆっくりとは半分に切り取ったゆっくりの体はそこまで大きくない。 恐る恐る男は己の顔をゆっくりの断面に入れてみる。すると、男はゆっくりの中に吸い込まれていくのが分かった。 慌てて顔を皮から出そうにも既に手遅れで、男は顔から下も全て吸いこまれてしまった。 後には何も残らず、残ったゆっくりの皮はふよふよ浮いて男が下っていた山道を再び登り始めた。 「つまり、引き千切られた半分の方も復活してしまいどうやらあの男を飲み込んでしまったみたいなんです……」 「はぁ……」 れいむの説明を聞いていたまりさは溜息を吐いた。 今の話はおそらく本当の事で、間違いなく先ほどの『虐待お兄さん』は吸い込まれてしまったのだろう。 「全く、運の悪い人間さんだぜ……」 そう言いながらまりさは頭の裏を掻く。 人がいなくなったと分かれば人間は間違いなく山狩りをするだろう、そう考えてまりさは再び指示を出す。。 「れいむの半身がこっちに来たら出発するんだぜ。その前に各自修復するんだぜ!!」 ゆっくり達は再び作業を再開する。 今優先することは急いでこの場を離れ移動することだ。下手したら人間に見つかってまた潰されるかもしれないからだ。 流石に二日連続で潰されるのは嫌だからか、修復速度もどんどん上がってきている。 まりさも仲間の残骸を集め始めてから、再び溜息を吐いた。 「人間さんがゆっくりって名付けた癖に、ゆっくりがゆっくりできる日は来るのかだぜ……」 ま、ここじゃ無理かとまりさは思った。 終 by大貫さん ↓は後書きと感想フォームへの返事です。読みたくない方はこのまま戻ってください こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! 本当は膿と膿以降人間を酷い目にあわす話は書くつもりはありませんでした。 ただ、あるれいむのAAを見て (これ、誰か吸い込まれたら面白そうだなぁ…)って思ったので書いてみました。 感想フォームに感想下さった方、本当にありがとうございます。 (名無しさん) 2008-11-10 15 16 03 後書きに対してのご忠告、本当にありがとうございます。 自分が作者様をおちょくるつもりはありませんでした。ただ、一言断っておいた方がいいかも…… と思っただけなのです。 本当にすいませんでした。 (名無しさん) 2008-11-19 13 43 03 読んで下さりありがとうございます。 タイトルを見れば分かるように、ゆっくりの中の膿と人間の中の膿を比較するために書いた作品です。 ですが、この作中に出てきた虐待お兄さんも他の人が書かれれば立派殺される事もなかったと思います。 (名無しさん) 2008-12-05 17 30 26 確かに原作の靈夢と魔理沙ならばふぅ〜んとかへぇ〜で済ましそうですね…… 反省です。 本当は最初は霖之助の視点で書くつもりだったんですが、霖之助というキャラは本当に扱い難いキャラだったので諦めさせてもらいました。申し訳ありません。 あと、最後に色々書いてくださいと言ってくださり本当にありがとうございます。 虐待スレという場で、ぬるいじめでも良いと言ってくださり本当に嬉しかったです。ありがとうございます。 最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。お目汚し失礼!! 書いた作品一覧 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 ゆっくりいじめ系900 膿と膿 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス ゆっくりいじめ小ネタ146 生まれ変わり ゆっくりいじめ小ネタ251 飼われているゆっくり 野良のゆっくり
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どすまりさの話 ちょっと微妙ですが、一応一方的な暴力はあります カーンカーンカーン 「…ああ、もうこんな時間か」 昼の鐘の音が辺りに響いてきたので俺は農作業をやめて腰を上げた。少し痛い。 だがこの時間になるといつもの恒例とも言うべき日課があるのだ。サボるわけにもいかんだろう 「時間だから行ってくるわ」 「おー、いってら」 近くの友人に出ることを伝えると俺は近くの川に行って泥を落とし、いろいろな荷物とごみ袋を持って森に入った。 目的地はどすまりさの集落である。 「おーい、いつものように来たぞ」 「ゆゆっ、おにいさんだ」 『ゆっくりしていってね!!』 群れのいるところに向かうと早速歓迎された。つっても歓迎される理由は単純だが 「おら、餌だ」 『ゆゆ~』 ごみ袋を逆さにして生ゴミを出すとあっという間に群がるゆっくりども。実に浅ましい たぶんこいつらの頭の中だと俺は食べ物を持ってくるへんなやつだろう。実際は全然違うが 「あ、お兄さんいらっしゃい」 少し遅れてどすまりさがやってくる。こいつはゆっくりの中でもかなりまともだ 知的生物として対等に扱うことができる。他はただ本能のままに生きるねずみと大差ないと思う 「ああ、来たぞ。それじゃあ早速教えてもらおうか」 「ゆぅ、最近来たのは…」 俺がどすまりさの所に生ゴミを持ってくるのは伊達や酔狂なんかではもちろんない。 村に害をなすと思われるゆっくりをこのどすから聞いて駆除するためである 群れが近くに引っ越してきたのは去年ぐらいのことだ。 こいつらが近くの森に来たとき、人里ではどうするか話し合った。 ゆっくりの群れというのはかなり増長しやすい。そのため群れたまま里を襲うことがある そうなると畑への被害はとんでもないことになるのだ。 最初は皆殺しにすべきという意見が圧倒的でそのまま実行されようとしたが、 森に来たときどすまりさがある提案をしてきた。 それは人里の頼みを聞くから自分達の群れだけは殺さないでほしいということである。 ゆっくりに頼むようなことはあるとも思えないが、 その自分の立場をわきまえた態度に里の人も関心したのでひとまず生かしたわけである。 そしてその後集まって話し合いが行われたとき、俺がふと思いついた意見が採用された。 それはこのどすまりさにほかの野生のゆっくりの情報を提供してもらうということ。 ゆっくりのことはゆっくりに聞くのが一番手っ取り早い。 できるかぎりあのどすが周囲のゆっくりを管理してくれればそれだけ畑への被害が減る。 後は群れとは関係ないゆっくりを情報を元に効率よく駆除すれば被害はほぼ皆無になる。 それらをこの群れのどすまりさに伝えたところ、このどすはあっさりと受け入れた。 こうして人里とゆっくりの群れの妙な共存が始まったのだった。 共存とはいうが殺さない代わりに他のゆっくりを探し出して差し出すから、実質群れが人里に従属しているというほうが正しい。 ゆっくり相手担当は発案者の俺。ついでに近くのゆっくりを駆除する役目もある。 きちんと働いた分村から給料が出るので心置きなく引き受けさせてもらった。 ちなみにうちの生ゴミを配るのはちょっとしたサービス。 これを配らないと他のゆっくりがさっさと出て行けコールを行うのだ。 群れのゆっくりを傷つけない約束があるので攻撃するわけにもいかないが、かなりうざい。 そのため生ゴミでひとまずどすまりさとの会話を邪魔させないようにするわけだ。 もともと捨てる物だったから有効活用といったところか。できることなら持ってきたくないのだが 「ほうほう、了解。早速駆除するからな」 ちなみに駆除した後畑に被害が出た場合。責任をとってこいつらから仲間を出してもらい、加工所に売り払う。 そのためその情報はかなり正確である。 「それとおにいさんにお願いがあるんだよ」 「あん?なんだ?」 「またうちの若いゆっくりに人間の強さを教えてほしいんだよ」 その言葉に思わずため息がでる。 「…またか」 「ごめんなさい」 「いや、お前が謝ることじゃねぇけどな。なんでゆっくりは自分が一番と思うんだろうな」 「ゆぅ…」 まりさにも分からないといった感じでどすまりさがため息をついた。 しばらくたって平原。ここに群れの全てのゆっくりが集まっていた。 「げっへっへ、きょうはまりさたちがにんげんをたおすきねんすべきひなんだぜ」 「れいむたちはまりさたちのかっこいいすがたをみてるんだぜ!!」 「にんげんなんてひとひねりだぜ!!」 誇大妄想を吐いて他の若いゆっくりから声援をもらうゆっくりまりさ三匹組。 はっきりいって若いゆっくりの中でなら強いほうかもなってだけの普通のまりさだった。 どう考えても人間は倒せそうに無い。 「あいつらをぶっ飛ばせばいいわけだな」 「ゆゆ、後遺症が残らなければ好きなだけなぐっていいよ」 「ほいほい」 どすまりさからぼこぼこにする許可をもらい軽く準備運動する俺。 よくあることだが若いゆっくりは人間なんてたいしたこと無いと思うことが多い。それはこの群れも例外ではなかった。 何度もどすまりさが注意しても聞かず、中には畑を襲おうとするやつも出る始末である。 そのため二回ほど人里と群れの仲が悪くなったが、そのたびにどすまりさが土下座して賠償する事で揉め事を収めていた。 だがそんなことではすぐに限界がくる。群れとしては喧嘩を売りたくは無いのだ。 そのため俺がじきじきに群れのゆっくりの前で若いゆっくりをぼこぼこにして人間の強さを教えるのである。 口で言っても聞かないなら直接経験させるのが一番手っ取り早いというわけだ。 ちなみに授業は決闘形式。普通に戦って勝ったほうに賞品が渡されるというもの。 対等に戦って一方的に負けるのだということを他の若いゆっくりに見せつけなくてはいけないからだ。 たまにどすまりさは苦労症だと思う。 「それじゃあルールを説明するよ!戦うのはこの平原! 時間無制限一本勝負で、武器を使うこと以外はなんでもあり! 相手チームを全部戦闘不能にしたほうが勝ち! 勝ったチームには賞品としておいしい果物が送られるよ!」 『ゆうううううぅぅっっ!!!』 ゆっくりにとって果物はとてつもなく高級品である。何せ簡単にとることが出来るのは背の高いどすまりさだけ。 他のゆっくりは樹に登る技術が必要だし、下手に高いところに登ると落ちて死ぬ可能性もあるのだ。 そしてその希少性と何よりゆっくりできる味のため、すべてのゆっくりがあこがれる食べ物というわけだ。 まあ必ず俺が授業料として持って行くのだが。 「くだものとはふとっぱらだぜ!」 「にんげんひとりあいてならいただいたもどうぜんだぜ!」 「おいじじい!ころされたくないならあやまればいまならゆるすんだぜ!!」 あほ三匹が何かほざいとるが華麗にスルー。もう慣れた。 「それじゃはじめるよ!スタート!」 それと同時にすぐにばらける三匹。戦い方としては悪くない動きだった。 あっという間に半包囲状態になる。 「あれはまりさたちのれみりゃもたおしたひっしょうじんけいだよ!!」 「いっきにかちにいくつもりね!」 若いゆっくりが騒ぎ出す。どうやらこいつらの必殺技のようだ。 普通自分達の数が多い場合、戦術として包囲するのって当たり前なんだが…まあその辺は饅頭だしな。 「ゆっへっへっへ、もうじじいはしんだもどうぜんだぜ!」 「くだものがかかってるからてかげんはしないんだぜ!!」 「いくぜ!まりさたちのひっさつ…」 『じぇっとすとりーむすぱーく!!』 三匹の掛け声とともに同時に飛びかかってくる。 うん、それだけなんだすまない。 …必殺技ちがくね? いや、ゆっくり相手なら必殺なのか。でも三対一になったら普通勝つだろうし…これは何のための技だろう。 少し悩んだがとりあえず俺は少し下がった。 『ぶべし!!』 見事に俺がいた場所で正面衝突する三匹。同時に突っ込んだらまあそうなるわな 「そんな…」 「まりさのじぇっとすとりーむすぱーくをあっさりよけたわ!!」 「わ、わからないよー!!」 騒ぎ出す若いゆっくり達。 この程度でさわぐなよほんとに 「ぐぎぎぎ…」 「このわざをよけるとは…」 「なかなかやるみたいだぜ…」 気づくのおせぇ 俺は立ち上がろうとしているまりさの一匹をつかむと上へと放り投げた。 「ゆぅ!?」 着地の衝撃を和らげるためにとっさに膨らむまりさ。まぁその判断は悪くないな。 そして落ちてきたところを… 「そぉい!!」 「ゆげらぁぁっっ!!」 思いっきり殴りつける。 まりさは吹っ飛ばされ、綺麗に回転しながらどすまりさにキャッチされた。 膨らんでいたので死にはしないが気絶は確実だろう。とりあえず一匹。 「まりさがやられたんだぜ!?」 「こうなったらおくのてなんだぜ!!」 まだあるんだ。 二匹のまりさは(ゆっくり基準で)すばやく集まると同時にジャンプをする。 よく見ると微妙に片方が高めにジャンプしているようだ。 「ひっさつ!!」 「すたーだすとめてお!!」 そしてなんと高く飛び上がったまりさが低く飛び上がったまりさを足場にさらに高く飛んだのである。 『おおおおおおっっ!!!!』 「へぇ…」 曲芸のような技に驚く周りのゆっくり達。さすがに俺も驚いた。 確かまりさ種は自分を優先させることが多いはず。そのまりさ種が連携技をするのだ。 さっきも連携といえばそうかもしれないがこれと比べたら月とすっぽんだろう。 「げっへっへ、このわざをくらっていきのこったやつはいないんだぜ!!」 「さっさとしぬんだぜ!!」 二匹が笑う。が、 「てい」 べしっ 「ひでぶっ!」 高く飛び上がったまりさをはたき落とす。まりさは地面に叩きつけられ気絶した。 こいつらは二匹で協力することで確かに普通のゆっくりより高く飛んだ…のだが それでも俺の身長くらいがせいぜいであった。いや、ちょっと低かったか? ゆっくりあいてだったら強かったんだけどなー 「ゆげげげえええぇぇっっ!!!???なんできかないんだぜ!?」 「お前らが知恵を絞ったって人間には勝てないってことだな」 そう答えながら残り一匹のまりさにゆっくり近づく。 「ゆ、ゆゆっ!!お、おにいさんごめんなさいなんだぜ!!だからいたいのはやめてほしいんだぜ!!」 いきなり土下座(らしき行動)をするまりさ。さっきまでの自信満々な態度とは天と地の差だ。 その行動に周りのゆっくりもあきれている。 「ふーむ。勝てないと理解したなら別に殴る必要もないんだが…」 「ゆゆ、ゆるしてくれるんだぜ?」 「その前に聞いておくが、お前勝負を決めるためのルール覚えてるか?」 「ゆゆ!それぐらいおぼえてるぜ!あいてをたおしたほうのかちなんだぜ!」 「うんうん、それ以外で決着をつける方法はあったかな」 「ゆっゆっゆ、そんなこともおぼえてないの?あいてをたおさないかぎりおわらない…」 ようやくきづいたのかがたがた震えだすまりさ。お兄さんはその餡子脳で気づいてくれてうれしいよ。 「そう、謝ったって勝負はどっちかが倒されるまでおわらないんだぜ?」 そう教えてやると俺はまりさを思いっきり蹴り飛ばした。 「このように人間に立ち向かってもゆっくりできなくなるだけだから、人間の畑に入ってはだめだよ。わかったかな?」 『ゆっくりりかいしたよ!!』 どすまりさの言葉に返事をする若いゆっくり達 理解していたやつは改めて心に刻み、理解してなかったやつは恐ろしいことを考えていたと思うだろう。 よきかなよきかな。 ついでに三匹のゆっくりは試合が終わった後、パフォーマンスとして足の部分をさらに何発か殴っておいた。 腫れ上がってたからしばらくは痛くてはねることもできないだろう。人間にたてつこうなどとは二度と思うまい。 この後俺はどすまりさからもらった果物をかじりながら、近くのゆっくりを駆除していった。 今日も幻想郷は平和のようだ。 ~~~~~~~~~ SSの整理してたら発掘したのでちょっと書き直してうp どうも続きものだったようでこの続きが中途半端に書いてあるけどどうしたものかね 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 ゆっくり駆除ありす まきぞえ なぐる ゆっくりのある田舎 現実的なドスまりさ ゆっくりゃの飼育 崩落 狩人 このSSに感想をつける
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『まりさは飼われゆっくり5』 34KB 虐待 観察 育児 家族崩壊 飼いゆ 子ゆ 現代 続けて失礼します ※「anko4286 まりさは飼われゆっくり4」の続きです。anko4266, 4272, 4273と続けて読んでいただけると幸いです。 ※繰り返しますが観察系虐待です 季節が移ろい、梅雨が去って爽やかな夏が近づいて来る。 さんさんと輝く太陽さんに、濃い青色の空、真っ白なもくもく雲さん。 お兄さんの花壇に植えられた新しい草さんが再び花を咲かせるようになってからも、まりさのプライドは摩耗しきったまま、しあわせー!は戻ってこなかった。 「ゆっゆっ、ぴょんぴょんっ!つちしゃん、ふーかふーかっ!」 「とっちぇも ゆっくちできりゅにぇっ!」 「ゆっちゆっち……!まりちゃは しゃいっきょう!のかりゅーどしゃんっ! みみじゅしゃんっ!ゆっくちでてくるのじぇっ」 「れいみゅは たきゃらもにょをさがすよっ!」 おちびちゃんたちが、花壇の一角に設けられた「ミニゆっくりプレイス」で探検ごっこをしている。 その傍らには、夏仕様のお外用お洋服を着せられたまりさと、ラフな格好のお兄さん。 「ゆぐぅぅ……!!ふぐぅっぅうう……ゆっく、ゆぇぇえ……っ!!」 「いい加減泣き止みなよ、まりさ。ほら、スマーイルッ。ゆっくりしていってねっ」 「ゆっぐ!ゆっぐりぃぃい……じでいっで……ぐずっ、ゆわ゛ぁぁ゛あ゛あん!!あ゛んあん!!」 まりさとおちびちゃんたちに日傘を差して影を作り、うちわで風を送ってくれているお兄さんの横。 まりさは顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。 おちびちゃんの前だから、朗らかに見守るべきおとーさんだからと、必死に歯を食いしばって泣き出すのを堪えていたのが、決壊する。 もちろん、おちびちゃんたちが遊ぶ姿に感動しているからではない。 最近のまりさは”何かするたび”いつでもこのように悲嘆に暮れ、涙でお洋服を濡らしていた。 ********************* 「今日からおちびちゃんたちをお外に連れて行ってあげようね」と、お兄さんが提案したのが今日の朝。 おちびちゃんたちはもうふーかふーかカーペットさんの上でなくても跳ねられるほど、あんよが丈夫になってきたのだ。 喜んで賛同したまりさはお外用のお洋服に着替えさせてもらい、今日こそはおとーさんがおちびちゃんたちをゆっくりさせる!!と懲りずに意気込みを見せた。 だが、ザル頭の餡子脳と侮るなかれ、今度ばかりは自信もある。 昔、父のお帽子に乗せられて遊び場に向かった記憶が呼び起こされる。 懐かしきセピア色のしあわせ。 あの時と同じようにやればいい。 同じようにお帽子に乗せて運んであげるだけで、おちびちゃんたちはゆっくりしてくれるはずだ。 これなら出来る。何も問題ない。 集まったおびちちゃんたちに「よしよし。おとーさんのお帽子に乗って、出発進行ー」と声がかけられる。 まりさはお下げと舌を駆使してひとりひとり、ご自慢のぴかぴか黒帽子におちびちゃんたちを乗せていった。 「ひとーり、ふたーり……ゆんゆんっ、おちびちゃんたち たくさーんっ!! おとーさんのおぼーしで、みんななかよく ゆっくりしていってねえっ!!」 「ゆっ……ゆぁっ……?なんだきゃ、せませましゃんになっちぇきちゃよ……!?」 「おねーしゃ、ゆっくちしちぇにぇっ。あばれにゃいでにぇ。まりちゃが おちちゃうのじぇっ」 「まだまだ たくさーんっ!!ゆーゆー!ゆっくりーしていってねー♪」 「ゆぅうっ!!やめちぇにぇ、やめちぇにぇっ……!!まりちゃの あんよしゃんがはみでちゃうのじぇっ! ゆぁっ!おちゅっ!おちりゅううう!!みんにゃのあいどりゅ、しゅえっこ まりちゃが おちちゃううううっ!! ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 たくさんのおちびちゃんを乗せたところで、何故か次のおちびちゃんがお帽子に乗り切らなくなる。 満員になったお帽子から、端にいた子まりちゃがついに転げ落ちてしまった。 「ゆっびぃぃい!!」と泣き叫ぶ可哀想なおちびちゃん。 カーペットにもたんっと優しく受け止められたので、決してあんよは痛くないはず。 だが、徐々にずりずりと端に押しやられて突き落とされるというゆっくりできない経験は、子まりちゃのぴゅあっ!なハートに引っかき傷を負わせてしまったのだ。 「ゆえええん!!ゆびぇええん!!なんぢぇ きゃわいいまりちゃがこんなめにぃぃいい!! まりちゃは、えらばれたゆっくちじゃにゃかっちゃにょぉぉお!!?」 「ゆぅぅ……おちびちゃんっ、ゆっくりごめんねっ!おとーさん、うれしくて、ゆっくりあわてちゃったよっ。 こんどは ゆっくりおぼうしにのろうねっ!」 餡子にずきんっ!と罪悪感を感じながらも、まりさはめげずにおちびちゃんを乗せ続けた。 その頑張りは評価されるべきだろうか。 結果として、代わる代わるすべてのおちびちゃんが望まぬスカイダイッビングを体験。 ゆえええんゆえええん泣き叫んでまりさのお下げから逃げるようになってしまった。 「よし、まりさ。おちびちゃんたち全ゆん、まりさのお帽子に乗ったよ」 「ゆみぃぃぃ……せませましゃん、ゆっくちぃ……」 「なんだきゃ ふあんぢゃよっ……あんよが むじゅむじゅしゅるよっ……ゆぅ」 逃げ惑うおちびちゃんを追う姿を見かねたお兄さんが手を貸し、皆をお帽子にしっかり乗せてくれた。 手助けを受けるのはおとーさんとして恥ずかしいが、お兄さんは飼い主さんでもあるし、許容範囲だろう。 何はともあれ、準備は整った。 ここからはおとーさんのターンだ。 「ゆぅぅ……!!おにーさん、ありがとう……!まりさ、いっくよーっ!!」 たんっ!! と”元気に”一歩を踏み出したまりさの視界の前方。 お帽子から放り出されたおちびちゃんたちの泣き顔がスローモーションで、ゆっくりゆっくり見える。 あ・・・ああ・・・!!また、失敗してしまった・・・!! まりさの心情が発声されるより前に、おちびちゃんたちは地面に激突し、この世の終わりと言わんばかりの絶叫を上げた。 「ゆっびぇええんん!!!ゆわ゛あああ゛あ゛あ゛ん!!やっぴゃり いちゃいいちゃいぢゃああ!!! どぼじで ごんなごぢょ じゅるにょおおお!!?」 「いじめりゅうう!!おどーざんが いじめりゅう゛う゛う゛う゛!!」 「ぎゃぐっだい!おどーざんは ゆっぐぢじにゃいで ちにぇえええ!!いぢゃいいぢゃいに なりぇええええ!!」 まりさが跳ねて移動しようとしたために、勢いよく宙に放り出されたおちびちゃん。 加えて今度はふーかふーかカーペットさんではなく、木製の縁側や、ちくちくの芝生さんへの墜落である。 当然お顔やお尻をしたたかに打ち付けられ、今までろくに経験していない痛い痛いさんに戸惑い、絶望的に泣き叫んでいる。 「ゆああ、ゆっあ゛あ゛あ゛あ゛!!お、おぢびぢゃんだぢぃぃ!!ごべんでえ゛え゛え゛ええ゛!!!」 これでは虐待お父さんと呼ばれても仕方がない。 襲い来る罪悪感と嫌な興奮にまりさの餡子はずりゅんずりゅんっ!と高速でうねり、目からは涙がぶわっと滲み出た。 「せみゃいよぉおお!!くりゃいよお゛お゛お゛!!ゆびえ゛え゛え゛んっ!!」 「じぇんじぇん ゆっくぢできにゃい゛いいい゛!!ゆぐぇぇ、くるちーちぃい゛い゛!!」 「おに゛ーしゃ゛ん、だずげでええええ!!あぢゅいよぉおお!!むしむししゃんぢゃよぉ゛お゛!!」 「ぢーぢーしたにょは だりぇぢゃあああ!!ぐぞぎゃくっっだい!ごみくじゅおどーざんかあああ!!? ばきゃにゃにょ!?にゃに かんがえちぇるにょお!!?くしゃしゅぎるでしょおお!!?ゆっべぇれえれっ」 見かねたお兄さんが再び介入し、今度はおちびちゃんたちをまりさのお帽子の中に全ゆん入れてくれた。 たくさんのおちびちゃんが入って、流石にまりさ自慢のおとなっ!な黒帽子もパンパンである。 「おぢびぢゃんだぢいいっ!!ゆっぐぢぃぃいっ!!ゆぇぇ……ゆっぐぢじででねっ!!ゆぐぅぅう……!! しゅ、しゅぐに ゆっくぢぶれいずまでぇ……ゆっく、 づれでっであげるがらねえっ!!ずーりずーり!!」 おちびちゃんたちは泣いているが、これで最後だ。 今度こそ確実安全に遊び場まで連れて行ってあげることが出来る。 これを失敗することは出来ない。もうヘマは許されない。 まりさは細心の注意を払い、お帽子が揺れないよう落ちないよう、そろーりそろーりと歩を進めた。 「「「ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……」」」 「まりぢゃの ぎゃばいいいもーぢょだぢぃいい!!ゆっぐぢぃぃ!!ぺーろぺーろ!ゆわあああ!!」 「しぇいっしゃい!!ぢゃあ゛あ゛あ゛!!ぎゃぐっだい!おどーじゃんは じぇったいぃ!じぇーったい!!ゆるしゃないのじぇえ゛え゛え゛!! まりぢゃのぷきゅう!!で いましゅぐ ぢにぇえ゛え゛え゛え!!ぷぅっきゅううううっっっ!!!」 「おに゛ーざんっ!!ごの ぐぞおどーじゃを くじょっ!しぢぇにぇっ!!しゅぐでいいよっ!!」 花壇さんに向かうお庭の道半ば。 照りつける太陽さんの中、黒い帽子にすし詰めにされて熱中症を起こしたおちびちゃんたちが力なく転がっていた。 ホカホカの蒸し饅頭になってしまい、吐き出された餡子からは湯気が立っている。 辛うじて意識を保っているおちびちゃんたちは、自分も辛いだろうに、姉妹たちの惨状を見て必死に看病を始める。 全ゆん焦点定まらぬ目であんよをふらふらさせながら、あらぬ方向に見えているらしい「くそおとーさん」に向かって敵意をむき出しにしていた。 「ゆ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!おぢっ、おぢびぢゃんだぢぃっ!!ぎょべんなざいっ!!ゆるじでぐだじゃいっ!! ごんなづもりじゃ ながっだんでずぅぅうう!!おどーざん、ぎゃぐっだい!おどーざんなんかじゃないでずぅう!!」 「ゆっぐぢだまりぇええええ!!じゃあ どういうづもりなんぢゃああああ!!?」 「でーびゅだぢが ゆっぐぢじでにゃいのが ぞんなにだのじいにょっ!!?おどーじゃんは げしゅゆっぐぢぃっ!!」 「はいはい、そこまでそこまでー。まりさもおちびちゃんたちも、大人しくしてね」 「ゆ゛ぁっ!!?おに゛ーざんっ!!やめでねぇええ!!まりざを くじょしないでえええ!!!」 「そんな、するわけないだろう?まりさは僕の大切な――……っと、おちびちゃんたちの治療が先だね」 おうちの中から道具を持って戻ってきたお兄さんが、まりさたちのところに屈みこむ。 まりさがいつもお風呂さんとして使っているタライに、オレンジジュースが注がれている。 お兄さんは痙攣しているおちびちゃんたちをさっとつまみ上げ、その中にひたひたに浸けた。 全身にオレンジジュースが浸み込むよう、優しく指先で転がしていく。 するとしばらくして、完全復活を遂げたおちびちゃんたちの元気な声が聞こえてきた。 「「「「ゆっゆおー!!あみゃあみゃしゃん、しーあわしぇえええ!!!」」」」 「ゆわあ゛ああ゛あ゛あ゛!!お、おちびぢゃあ゛ああんっ!!よがっだよ゛ぉぉ゛お゛お゛!!! ゆ゛ぇえ゛え……!!ゆぐぐっぅうえええ…っぐ!!びぇええ゛えええん゛!!!」 「よしよし、一件落着。さて、時間食っちゃったね。ゆっくりしないで、花壇さんまで行こうか」 おちびちゃんたちをタライごとひょいっと持ち上げたお兄さんは、まりさがそれに気付いて見上げたときには、既に花壇さんの傍に辿り着いていた。 手に持った布巾さんでおちびちゃんたちの体を拭き、次々に花壇のミニゆっくりプレイスに下ろしていく。 そのあまりの呆気なさに、まりさの餡子脳はまともに反応できなかった。 まりさがぽすんぽすん跳ねて追いついた時には、おちびちゃんたちは先ほどの喧騒などなかったかのような笑顔。 柔らかい土さんの上、元気に転げまわっていた。 ********************* まりさが何をしても、全く上手くいかない。 まりさが何をしても、相手は全然ゆっくりしてくれない。 今回の出来事に限らず、一事が万事このような具合だった。 危険物のない盛り土の上で跳ねまわり、お兄さんが撒いてくれた赤くてウネウネの糸ミミズさん、きらきら透き通ったオハジキさんやビー玉さんを見つけては、飛び上がらんばかりに喜ぶ。 ピンポン玉から野球ボール程度に近づきつつあるおちびちゃんたちは、なるほどすーくすーく元気に育っている。 ここまで子育てをしてきて……いや正確には”お兄さんがおちびちゃんを育ててくれる”のを見てきて、まりさはそれまで意識していなかったことをゆっくり理解し始めていた。 例えばこの探検ごっこ。 おちびちゃんのおうち用お洋服を脱がせる。 お庭に出るために窓ガラスを開ける。 芝生を越え、花壇までおちびちゃんたちを運ぶ。 ミニゆっくりプレイスの雑草を抜き、危険物が紛れ込んでないか隅々までチェックしておく。 ご褒美の小さいミミズさんや宝物を用意しておく。 おちびちゃんたちが遊んでいる間、直射日光を避けるために日陰を作ってあげる。 泥んこになったおちびちゃんを連れ帰る。但しおうちを一切汚さずに。 シャワーさんで体を清潔にし、タオルとドライヤーで水気をしっかりと除く。 汚れたり傷ついたりしたお飾りを修復してあげる。その間もオシャレを楽しめるよう、予備の特別なお飾りを用意しておく。 たっぷり遊んでお腹がすいたおちびちゃんにご飯さんを用意する。待たせて泣かれてはいけない。 食後恒例のうんしーを片付け、あにゃるまむまむをきれいきれいする。 その場で疲れて眠ってしまうおちびちゃんにお昼寝用のお洋服を着せ、起こさないよう静かにベッドさんに運ぶ。 ここまでパーフェクトにこなせて初めて、おちびちゃんたちは「ゆっくりできる」。 そして、その工程のうち、まりさに達成できるものはただの一つも存在しないだろう。 探検ごっこに限らず、他のあらゆる場面においても同様である。 お兄さんのおうちで、人間さんが生み出す圧倒的なしあわせー!飽和空間に包まれている限り、饅頭に過ぎないまりさにそれを超えるしあわせー!を作り出すことは出来ない。 要するにまりさは思い描いていたような英ゆん、偉大な父親になること叶わなかったのだ。 シャワーさんで毎日の汚れを洗い流し、温かいお風呂さんを用意してくれるのもお兄さん。 まりさでは蛇口を捻ることすら出来ない。 お洋服を着せ、脱がしてくれるのもお兄さん。 まりさではお下げとお口でおちびちゃんを散々こねくり回し、時に体やお飾りを傷つけてまで、倍では済まない時間がかかる。 それでも以前、入浴前のおちびちゃんぬーぎぬーぎタイムをまりさが担当すると申し出たことがある。 その時はあまりにゆっくりした結果、お湯が完全に冷めてしまい、「ちゅべちゃいよおお!!じぇんじぇん ゆっくちしちぇにゃいよお!!」と大泣きされてしまっていた。 ぷくぅ!に怯まない強靭なゲスゆっくりの来襲を退けるのもお兄さん。 まりさはぷくぅ!で応戦したあげく、逆に向こうの歴戦のぷくぅ!で泣かされてしまうのが大抵だった。 先日の自動びゅびゅーんマシーン以外にも、「まりちゃ、だいとしょかんげーむさんで あそびちゃいのじぇっ!」という要望に応えられるのもお兄さん。 準備が必要な大掛かりなものについては、まりさではせいぜいおもちゃの仕舞ってある箱を倒し、お下げで叩くことしか出来ない。 「でてきてねっ」「はえてきてねっ」で済めば苦労はないのだ。 まりさに出来ることは何一つなかった。 次第にまりさの役割は、体の大きい成ゆん故のあんよの速さと声の大きさによって、お兄さんを呼ぶ係に落ち着き始めていた。 あとはせいぜいお兄さんが来るまでの間、泣いている子をあやし、喧嘩している子をたしなめる程度の能力しかない。 子育ての実働をお兄さんにやってもらうことで、どっしりと構えた威厳ある父親だと今更認識され始めたのか、あるいは出しゃばらなくなった昼行燈として気にも留められなくなったのか。 少なくともまりさが大人しくしている限り、おちびちゃんたちから馬鹿にされることだけは回避することは出来ており、そのことがまりさに辛うじて正気を保つ最低限の保証を与えていた。 「ゆゆっ!こんなとこりょに、おはなしゃんが はえちぇるのじぇっ!」 「しゅごおおいい!!きょきょを れーみゅの ゆっくちぷれいしゅにするよっ!!」 「みんにゃで むーちゃむーちゃしよーにぇえっ!!」 ミニゆっくりプレイスの境界を越え、お花の植えてあるところまで”探検”してきたおちびちゃんたち。 まりさの知らぬ間に生えていた名も知らないお花さんを前に歓声を上げ、嬉々として涎を垂らし、喰らいつこうとしている。 「ゆっ、おちびちゃ――……ゆぅ……お、おにーさんっ」 お花を荒らすおちびちゃんたちを叱ろうとして、まりさは思い止まってしまう。 代わりに、お兄さんの方に視線を向け、おちびちゃんたちがいたずらしているよおっ!と目で訴える。 お兄さんは「もちろん分かってるよ」と言わんばかりの涼しい顔でニコッと笑った。 「いいよ、まりさ。おちびちゃんのすることだから、仕方ないでしょ。お花ぐらいまた植えればいいさ」 「ゆ……ゆぅ」 まりさは小さく呟き、再び虚ろな目で前方に広がる光景を眺め始めた。 ----------------------------------------------------- 夜。 お外の探検ごっこに続いて、午後は室内の探検ごっこを満喫したおちびちゃんたち。 お兄さんにディナーさんを与えられ、お兄さんにうんしーをきれいきれいしてもらい、お兄さんにパジャマさんを着せてもらい、お兄さんにゆっくりハウスまで運んでもらって、今はおうちのおうたを聞きながらゆっくりしていた。 その中でまりさが行ったことといえば、おうちの中にあるみすちー型のボタンを押したことだけ。 ボタンを押すためだけにハウスに入り、押し終わればのそのそと出て行く。 おちびちゃんたちは自分と目も合わせず無言でハウスの中に駆け込み、中に入ってからゆきゃいゆきゃいと姉妹だけで団欒し始める。 まりさは柵さんの辺りに佇み、せめてハウスを守る門番だとでも思い込みながら、ひとりぼっちで外から様子を窺った。 ゆっくりハウスが奏でるゆったりとした子守唄が聞こえてくる。 小さなおちびちゃんたちがわらわらと動くたび、小さなお飾りがゆさゆさと可愛らしく揺れる。 おねーしゃ!いもーちょ!と仲睦まじく語り合い、すーりすーりぺーろぺーろとスキンシップを交わしている。 その光景をどこか冷めた心で眺めながら、まりさは考えた。 いつか公園で見た可哀想なおちびちゃん。お庭で果てていった哀れな野良ゆっくり一家。 彼らをゆっくりさせてあげることができなくて、まりさ自身も”ゆっくりできなくなった”。 が、それはいわゆる同情心のためだけなのだろうか。 目の前でリラックスタイムを楽しむしあわせ一杯のおちびちゃんたちを見ても、まりさは同じように”ゆっくりできていない”。 もやもやとした漠然とした悩み、奇妙なゆっくりできなさが今でも変わらず湧き上がってくる。 「君は他ゆんや他人をゆっくりさせてあげられないと、ゆっくりできないんだろう?」。 お兄さんがかつて言った言葉が脳裏に蘇る。 父祖の代から脈々と引き継がれている英ゆんの遺餡子は、まりさに無力な一饅頭に甘んじることを許さないのだ。 おうちの中で姉妹仲良く寄り集り、次第にねむねむさんに包まれてまどろみ始めるおちびちゃんたち。 それはかつて自分も経験した黄昏の日々である。 記憶の中の光景と同じくあのおちびちゃんたちの後ろにも、それを優しい笑顔で見守る大きな父親がいるはずだったのに。 何故。何故自分はその役を演じることが許されなかったのか。 一体何がいけなかったのか。 理想と現実に、どうしてここまで差がついたのか。 慢心、あるいは――…… 「ゆっびぇえ゛ぇ゛ぇ゛ええ゛え゛ん!!!」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 「ゆっ……!?」 突如轟いた子ゆっくりの悲鳴に、おうちの中のおちびちゃんたちも含め、全ゆんがビクッと震えた。 まりさが声のする方に振り向くと、お兄さんがすたすたと歩いてくる。 その手には小さなゆっくり、初恋のれいむに似た、まりさの可愛いおちびちゃんが乗せられていた。 「ゆっ!お、おにーさんっ……!?おちびちゃん、どうしたのっ!?」 「こらっ、まりさ。『どうしたの?』じゃないよ、ダメじゃないか。 自 分 の お ち び ち ゃ ん を 置 き 去 り に し て き ち ゃ 」 「ゆっ!?ゆぅぅうう!!?」 まりさは慌てた。 慌てて、ハウスの方を見るが、騒ぎを聞いてゆっちゆっちと這い出てくるおちびちゃんたちは、いち……にい……ほら、ちゃんとたくさんいる。 お兄さんの手の上に乗り、指で撫でられてあやされている子れいみゅを加えれば、やっぱりたくさん。 全ゆんいるじゃないか。 「夕方の室内探検ごっこの時に挟まったのかなぁ。この子、冷蔵庫の下に潜り込もうとして抜け出せなくなっちゃってたんだよ」 「ゆんやあああ!!さみしかっちゃよぉぉお!!きょわかっちゃよぉおお!!!おねーしゃあああ!!」 「「「ゆゆーっ!きゃわいい いもーちょっ!!」」」 カーペットの上に下ろされた子れいみゅが、迎えに来た姉妹たちの方に跳ねていく。 ひとしきり舐めたり肌を合わせたりして慰められた後、姉妹たちに囲まれて、キッ!とまりさの方を睨みつけた。 「どぼじで ぐぞおどーざんは、でーみゅをほうっでおいだにょぉお!!?また、ぎゃくったい!にゃにょ!? でいみゅ、きょきょだよー!きょきょにいりゅよぉぉお!!って、おちりをもりゅんもりゅん ふっちぇちゃにょにぃぃい!!」 「ゆゆぅぅぅ!!お、おちびちゃんっ……ちがうよっ!お、おどーさんは、おちびちゃんに……その、きづかなかったんだよっ……!!」 「はぁあああ!!?じゃあ、にゃんでさがしもしなかっちゃにょぉお!!? おちびちゃんがいなくなっちゃよっ!って、おにーざんをよんできてくれなきゃっちゃにょぉおお!!? じぇんっじぇん!なっとくできにゃいよっ!!やっぴゃり ぎゃくったい!ずきの げしゅおどーざんぢゃああっ!!ゆんやあああ!!」 再び涙を噴出させ、揉み上げをぱたぱた振り回して泣き始めてしまう。 まりさはおちびちゃんに責められるたびに五寸釘の痛みを受けながら、一方で「これはおかしいぞ」と何かが空回りするような違和感を感じていた。 自分は室内探検ごっこのときも、皆でご飯さんを食べているときも、シャワーさんを浴びているときも、おとーさんとしての最後の意地でおちびちゃんたちを見守るだけ見守ってはいた。 どの時点でも、おちびちゃんたちは確かに全ゆんいたはずなのだ。 自分は何も間違ったことをしていない。なのに何故か間違いが起きている。 責められるべきものはどこか別にあると直感的に感じたまりさは、泣いているおちびちゃんに申し訳なく思う一方で、餡子の底に理不尽ないーらいーらが少しずつ少しずつ溜まっていった。 「あー……まりさ。君はもしかしたら、おちびちゃんがひとりいない!ってことに気付かなかったのかもしれないね」 「ゆゆぅぅう!!?なにいってるの、おにーさんっ!?そんなわけないでしょおお!!? いくらおにーさんだからって、いっていいことと わるいことがあるよっ!!まりさ、おこるよっ!?」 「まあまあ落ち着いて。まりさ、今ここに君のおちびちゃんたちは何匹……もとい何ゆんいる?」 「ゆぅぅん?まりさにのおちびちゃんが、いち、にい、たくさん。と、れいむにのおちびちゃんが、いち、にい、たくさん。だよっ」 「……じゃあ、それは全部で何ゆんだい?」 「たくさんにきまってるでしょ!?……おにいさん、だいじょうぶ?」 珍しく、訳の分からないことをいうお兄さん。 まりさは久しぶりにお兄さんと同等あるいは優位な立場に立てたと感じ、ほっこりとした。 「僕は誓って大丈夫だよ。うーん……まりさ。いや、おちびちゃんたちに言ったほうがいいかな。 おとーさんまりさは、やっぱり、君たちおちびちゃんが何ゆんいるか分からないみたいだね」 「「「ゆゆーっ!!?なにそれええええ!!!!」」」 「へんなこといわないでねえええええ!!なんなの、おにーさんっ!!なんでまりさにいじわるなこというのぉぉお!!?」 「だって、ほら。じゃじゃじゃーん、隠 し 玉 の 子 ま り ち ゃ 君 、 登 ☆ 場 ー 」 「ゆっくちーっ!!」 「「「ゆゆゆーっ!!すえっこ まりちゃぢゃよっ!!みんなの あいどるしゃんぢゃよおおお!!」」」 「ゆぁ゛あ゛っ!!?」 お兄さんのお洋服のポケットから、またひとり、まりさのおちびちゃんが現れた。 こちらを見下ろすお兄さんのお顔は電灯さんの影になっていて、表情がよく分からない。 だが、まりさはお兄さんの発言の意図が理解できた。 何だこれは。一体どうなっている。 確かに今お兄さんがひとり、おちびちゃんを隠し持っていた。 それなのに自分はこの場にいるおちびちゃんたちで「全ゆんいる」と思った。 つまり、自分はおちびちゃんがどこかに隠れてしまっていることに本当に気付かなかったのだ! 「おかしいでちょおおお!!?おどーざんは、じぶんのおちびちゃんもなんゆんいるか わからにゃいっていうのぉおお!!? れーみゅだちのごとなんで、どうでもいいっでい゛うにょ゛お゛ぉぉお゛!!?」 「おやのこころっ!!ってものが にゃいよっ!!じぇんっじぇん!!にゃいよぉおお!!」 「やっぴゃり げしゅゆっくちだったんぢゃにぇ!!げしゅは ゆっくちできにゃいよっ!ちんでにぇっ!!」 「ゆ゛あ゛あ゛ぁっ……!!あ゛あ゛っ!ゆっぅぅえ゛え゛……!!」 あまりの衝撃にまりさは錯乱し、視界がぐにゃ~っと歪んだ。 あんよ元の地面がガラガラと崩れ落ち、無限の闇に落ちていくように感じられた。 何だというのだ。 自分はこれほどの餡子脳だったというのか。 「落ち着いてね、おちびちゃんたち。これは仕方ないことなんだよ。っていうか、君たちも末っ子まりちゃがいないの気付かなかったじゃないか。 おとーさんまりさはゲスじゃないよ。お兄さんが保証します」 「ゆぁ~ん……ほんとなのじぇえ?おにーしゃんは、いっつもおちょーしゃをかばうのじぇ」 「でみょ、れーみゅたちも まりちゃがいにゃいのに きづきゃなかっちゃよっ!うっかりしてちゃよっ!」 「ゆぅぅん、そうぢゃにぇえ、うっかりうっかりぢゃにぇ。ゆんっ!おねーしゃんれいみゅは おにーしゃんをしんじるよっ! だっちぇ、おにーしゃんだもんっ!れいみゅ、おにーしゃんが だーいしゅきぃっ!!」 いつものようにお兄さんが自分をおちびちゃんたちから庇い、抱きかかえて頬を撫でて慰めてくれるのを、まりさは遠い別のゆっくりのことのように感じていた。 空気を読まず場違いに鳴り続けているおうちの子守唄が、まりさの精神を蝕んでいく。 「これから君たちもしっかりしてね。おうちに戻る前には、お姉さんや妹がちゃんといるか確認してね。 君たち同士なら、誰かいなくなっても分かるはずだ。妹がいないお姉さんがいないってね」 「「「「ゆゆーんっ!ゆっくちりかいしちゃよっ!!」」」」 「ゆぅぅん、れいみゅは いもーちょがいなくなっちゃら、しゅぐわかりゅよっ!おねーしゃに まかせちぇにぇ!!」 「やっぴゃり まりちゃたちがじぶんでしっかりしないとだめにゃのじぇぇ……たりないおちょーしゃんは、たよりにならにゃいのじぇえ……」 一件落着とばかりに、おちびちゃんたちが連れ立ってゆっくりハウスの中に戻っていく。 まりさをカーペットのその場に下ろし、お兄さんはゆっくりハウスの中の灯りを消し、お部屋の明かりも暗くして、大図書館に去っていった。 「ゆぅぅん、なんぢぇこんにゃのが おとーしゃんにゃにょ? おにーしゃんがほんっとう!のおとーしゃんだっちゃら、よかっちゃにょになぁ……」 薄暗い明かりの中、お兄さんの背を見送るおちびちゃんたち。 その誰かがぼそっと呟いた一言に、まりさの中の何かが切れた。 口をだらん開けて目線を泳がせ、廃ゆんのように呆然とした表情になったまりさは、しばらくその場に佇んでいた。 ------------------------------------------------------- ゆっくりできない。 ゆっくりできない。 ゆっくりできない。 おちびちゃんたちが寝静まってからも、まりさは悶々とし、内に渦巻く苦しさと戦っていた。 その苦しさは今までと一線を画した強度と、ある種の志向性を含んでいる。 何故自分がここまで侮辱されなければならないのか。 自分はこの上なくゆっくりした飼いゆっくり中の飼いゆっくりではなかったのか。 ゆっくりしている自分がゆっくりできないと罵倒されるなんて、こんなおかしいことがあるか。 何かが間違っている。 誰かが卑怯な手を使っている。 慣れない黒い感情に戸惑う自分と、その黒い感情に従おうとする―いわゆるゲスな―自分がいる。 自分の餡子の奥に潜む、急速に大きくなってきたもうひとりの自分に突き動かされるように、まりさはずりずりと動き始めた。 向かう先はお兄さんの大図書館である。 そう、”敵”はこの中にいる。 大図書館の扉の前に辿り着いたまりさは、吐餡しそうな苦しさと緊張感の上に、さらに複雑な感情を付け加えられることになった。 人間さんが開けるための扉の下部。 「どこでも好きなところでゆっくりしていってね」の言葉通り、ここにも胴無しまりさが潜り抜けるためのゆっくり用ドアが設けられている。 壁に体当たりを繰り返しただけで潰れてしまう脆弱な体のまりさを守るため、目の前のゆっくり用蝶番ドアには、ふーかふーかのクッションカバーが取り付けられている。 クッションカバーはすべてお兄さんお手製の刺繍イラスト付き。 ここには口に袋を咥えて図書館から魔道書を盗み出してきたような、ドヤ顔のまりさ種ゆっくりが描かれていた。 まりさの脳裏に、もうどのぐらい昔になるだろうか、懐かしい記憶が蘇ってきてしまう。 ゆっくりショップでお兄さんに出会い、このおうちにやってきたばかりの頃。 あの時の自分は今から思うと本当に餡子脳であり、このようなイラストのゆっくり、ヌイグルミのゆっくりも本物と区別がつかず、構わずに話しかけていた。 「ゆゆーっ!それはおにーさんの まどうしょっ!だよっ!!どろぼーさんは ゆっくりできないよっ!!」 「まかせてねっ、おにーさんっ!!どろぼーまりさは、まりさがゆっくりやっつけてあげるからねっ!ゆっゆっ!!」 ああ、あの頃に戻りたい。 ゆっくりのことならゆっくりである自分に任せて欲しいと意気込んでいたあの頃。 お兄さんと同等の立場に立ち、しあわせー!を提供する飼い主さんとゆっくりを提供する飼いゆっくり同士、持ちつ持たれつ家族のような関係だと思い込んでいたあの頃に。 ああ、だがしかし。 あの時この蝶番ドアに向かって体当たりをし、それをただキーコキーコと揺らしていただけの自分を、お兄さんはどう見ていたのだろう。 今のおちびちゃんたちと同じように、可哀想な足りないゆっくりとでも思っていたのだろうか。 そんな滑稽な姿を見て、お兄さんはまさか、”ゆっくりしてきた”とでもいうのだろうか……!! まりさの中の黒い感情が急激に大きくなる。 まりさは扉を突き破らんばかりの思いで力強く跳ね、ついに大図書館に乗り込んだ。 ばんっ!! と音を鳴らして蝶番ドアを通り抜けたつもりだったのはまりさだけ。 実際にはクッションカバーに優しく受け止められ、油の差された蝶番がすぃーと開き、軽い素材の扉がふわっと浮く。 飛び込んだ先すらやはり柔らかなカーペットが敷かれ、音も立てずに着地したまりさのあんよを長い毛がふんわりと包み込む。 それは窒息しそうなほどに濃密な愛。他ならぬまりさに向けられた愛だった。 ふかふかの綿で包まれて潰されていくような、あまあまに溺れて沈んでいくような…… 独特の臭いのする本棚だらけの大図書館。 オレンジ色をした柔らかい光。 見上げた先には、椅子に深々と腰掛けたお兄さんが変わらぬ笑顔を向け、母親のように父親のように迎えてくれている。 まりさの愛憎はここに極まった。 「やあ、どうしたんだい、まりさ?眠れないのかい」 「ゆえ゛ぇぇ゛ええ゛……!!ぢ、ぢがうよぉ゛ぉお゛っ!!」 「おちびちゃんが危ない目にあって、まりさも怖かったね。でも何もなくて良かっただろう?次から対策すればいいさ」 「ゆっぐ!!ぶっぅぅ……!!ゆう゛う゛!!ぢがうぅ!ちがううう゛う゛っ!!!ゆぐっぅ゛ぅ……!!」 「最近まりさに構ってあげられなくてごめんね。ほら、おいで。思いっきり甘えていいよ。今度魔法の森わーくわーく探検迷路をやろうね」 「ち゛がう゛よ゛お゛ぉぉお゛!!!ぜんっぜん!!ちがうんだよ゛ぉ゛お゛お!!お゛にーざんっ!!ぎいでね゛え゛えっ!!ゆっぐぢぎげえ゛え゛ええ゛!! ばでぃざはぁぁ……!!ばでぃざはあ゛あ゛あ……!!!」 椅子に座ったまま頭を乗り出してきてまりさを覗き込むお兄さん。 そんなお兄さんを真っ直ぐに見つめながら、まりさは歯茎をむき出しにして叫んだ。 目からは止め処なく涙があふれ出てくる。 まりさはお兄さんを制裁したいのか、お兄さんに甘えたいのか、もう分からなくなっていた。 「ばでぃざはねっ!!なんっにもできだいんだよ゛っ!! ごはんざんも がってごれないっ!きれ゛いきれい゛も しであげら゛れないっ!! いっじょにあぞんで、ゆ゛わわーい゛っ!て よろこばせてもあげられな゛い゛っ!! すーやずーやずるべっどざんもぉ、おうちさんもお゛、くっしょんざんもぉっ!!ぜんぶぜーんぶっ!! どーやってはえでぐるのかっ、ぜんっっぜん!わがらだいぃっ!!」 感情を吐露するに従いまりさはどんどん狂乱し、興奮が天井知らずに高まっていく。 まりさは自らの激情に任せ、びったんびったんと地団太を踏んだ。 「ゆぐぅぅっ!!ば、ばでぃざは、なんだのっ!?おちびちゃんをいじべるごとしかできだいぃ、ぐぞ ぎゃくっだい!ごみくずうんうんゆっぐぢなのっ!? ばでぃざは、えいっゆん!のゆっくりじゃながったのぉぉおお!!?ばでぃざっ!なんのだめに ごごにいるのぉぉお!!?なんのたべに、うばれでぎだのぉおお!!?」 「まりさ……」 椅子から降りたお兄さんが膝立ちで屈み込み、まりさに手を差し伸べてくれる。 まりさを慰めるいつもの動作。いつもの優しいお兄さん。 しかし、今日のまりさはそれをお下げでばしぃっ!!と跳ね除けた。 「お゛に゛ぃ゛ぃ゛ざ゛ん゛が゛あ゛あ゛っ゛!!いげだいんだよぉお゛お゛!!? おにーざんが なんでもできぢゃうがらああ!!なんでもしてぐれるがらああ゛あ゛!! おにぃざんがいるがら、ばでぃざは なんにもできだいっ!ただのおまんじゅうにぃぃ!!なっち゛ゃうんだよぉお!!!ゆんやあ゛あ゛あ!! おにーざんの ばがぁ゛あ゛あ!!おにーざんなんてぇ だいっぎらいだよぉ゛お゛お!!!」 差し出されたままのお兄さんの手を、続けてばしんばしんと叩いていく。 人間さんがゆっくりのお下げ如きの攻撃でダメージを負うわけがないと分かってはいるが、これは歴然とした反逆行為。 まりさの中にある冷静な方の自分が、お兄さんに捨てられ、野良ゆっくりに身を堕とすことを覚悟し始める。 それでもまりさは、お兄さんの愛の手を拒絶せずにはいられなかった。 お兄さんの手に包まれている限り、まりさは何の役にも立たない飼われゆっくりでしかないのだから。 お兄さんは怒りもせず、慰めもせず、何も言わずにただじっと手を出したまま、まりさの殴打を受け入れていた。 お兄さんの方を直視できず、手の方だけをじぃっと睨みつけて必死に殴打を続けていたまりさも、溜めていた感情を出し切って次第に落ち着いてくる。 叫び声や唸り声が徐々に静かになり、お下げによる殴打も弱弱しくなっていく。 まりさが完全に泣き止み、お下げをだらんと下げたところで、お兄さんは改めてまりさの頬に手を添えた。 温かい、繊細ながらもしっかりとした手。 そこから感じられる、余りにも深く、余りにも大きな愛情。 まりさの目から、再びぶわっと涙が溢れ出した。 「まりさ。辛かったね」 ひょいっとまりさを抱え上げ、涎や涙で汚れるのも構わず胸元に抱き締めてくれる。 顔いっぱいにお兄さんの匂いが広がる。 まりさは激情の余韻にむせび泣きながらも、不思議と憑き物が落ちたかのような心の平穏を取り戻していた。 お兄さんはまりさを机の上に乗せ、深々と椅子に腰掛けて、互いの目腺を合わせた。 「僕、まりさをいじめちゃってたことになるのかな。ごめんねっ」 「ゆっく……ゆぅ…………」 「でも素直に言ってくれてありがとう。うん、ゆっくりはさ、何でもすぐに口に出すものなんだからねっ さて……」 「ゆぅぅ……!!」 体を起こしてぐいっと近付いてきたお兄さんに、まりさは反射的にビクッと後ずさった。 まりさのお尻が机の上にある平たい機械に乗る。 「おっと、vvvvvvvvvvvvvvvって……キーボードさん、ゆっくりしてねっ」 と言って伸ばされた手にも体を強張らせたまりさを見て、お兄さんは小さく笑った。 「大丈夫だよ、まりさ。お仕置きなんてしない。まりさは僕の大切な――……うん、大切なゆっくりだからね」 「ゆぅ……ほんと?おにーさん」 「ホントホント。それより、まりさ。今後の解決策の方を考えようじゃないか」 椅子を引き、腕組みをしたお兄さんが不敵に笑う。 解決策……ということはつまり、まりさがおちびちゃんたち、あるいは誰か他のゆっくりたちを、ゆっくりさせてあげることが出来るようにしてくれるのだろうか。 お兄さんに出来ないことはない。 そう思うまりさにも、このことばかりはれいっがい!であり、実現不可能なように思われた。 何せ自分はまん丸で矮小な小麦粉さんと餡子さんの塊に過ぎない。 こんな芋虫のような姿で、思えばどうやって、他ゆんのために何かが出来ると思っていたのだろうか。 「といっても、僕から提案することは決まっているんだけどね。 まりさ、無力なお饅頭がゆっくりできないなら、胴付きになればいいんだよ」 「ゆゆっ!」 胴付き。 思いもしなかった言葉に、まりさの中枢餡が一瞬フリーズする。 絵本やTVや雑誌でしか見たことがないし、遺餡子の記憶にもそれほど多くの情報は存在しないが、ゆっくりには胴付きという形態が存在する。 本来生首のようなお饅頭として生まれてくるゆっくりが、何らかの原因で人間さんのような体を手に入れたもの。 そういう後天的に発生する子ども大のゆっくりを、胴付きと呼ぶのだ。 「胴付きになれば、まあ人間そのままってわけにはいかないけど、色々とやれることが増えるでしょ。 まりさ、頑張れ!胴付きになるんだっ」 「ゆゆううっ!!なりだいっ!!までぃざっ、どうつきざんに なりだいよぉ゛おっ!!」 胴付きさんになれば、窓ガラスだって開けられる。 蛇口を捻ってお水さんだって出せる。 当然スムーズにおちびちゃんたちのお世話が出来る。 もしかしたらプラチナバッヂさんのように人間さんのお仕事を手伝ってキャッシュさんを稼ぎ、まりさだけのあまあまを買えるかもしれない。 そうしたら、あの可哀想な野良ゆっくりたちにも、まりさ自身がまりさ自身の手でしあわせー!を分けてあげることも出来てしまう! 「でもでも、おにーざん……!まりざ、どーやってどうつきさんになるが、わがらだいよぉぉ……!! どうすれば どうがはえてくるのぉっ!?ゆっくりおしえてねええ……!!」 「……いいかい、まりさ。胴を生やすのはいくら人間さんでも……いや、やって出来ないことはないけれど……できない。 まりさがうーっんと強く『どうつきになりたいっ!』って思わないとダメなんだ。 気持ちの問題だ!頑張れ頑張れ!諦めるな!出来る、絶対出来るよ!!……ってやつだね」 以前のようなつぶらな瞳で「ゆー?」と見つめるまりさ。 ふぅと一息ついたお兄さんはまりさを持ち上げ、大図書館を出た。 涙と失禁でぐちゃぐちゃに濡れてしまったパジャマさんを脱がせ、軽くシャワーさんで洗い流す。 再び新しいパジャマさんを着せられたまりさはお兄さんに抱えられ、おちびちゃんたちを起こさないようそろーりそろーりとキッチンさんへ運ばれた。 泣き疲れてお腹空いたでしょと言って与えられたハチミツさんをペロッと舐めた後、ゆっくりハウスの柵の中に下ろされる。 「まあ気を張らずいこう、まりさ。毎晩『早く人間になりたーい、早く人間になりたーい』ってお祈りしてみるとかね。 もしかしたら、明日にでも胴付きさんになってるかもしれないよっ」 「ゆんっ……ゆっくり りかいしたよっ。にんげんさんになりたーい……どうつきさんになりたーい……」 「よしよし。いい子だ。じゃあ、僕はもう行くね。”ばいばいっ、まりさ”」 「ゆっ……おにーさん…………ゆっくり おやすみなさい。その……ありがとう……」 落ち着きとゆっくりを取り戻したまりさは、しかし、ある種の興奮のため、なかなか寝付けなかった。 胴付きさんになる。そして、人間さんのように誰かをゆっくりさせられる力を得る。 閉ざされていたはずの迷路に、たった一つ見えた希望の光。 まりさにはまだしあわせー!を得るための道が残されていたのだ。 最も逆を言えば、その希望が叶えられない限り、まりさはずっとこの絶望に取り残されることになる。 まりさは真剣に、いつまでも、お祈りを続けていた。 -------------------------------------------- 翌朝。 目を覚ましたまりさは、お顔が横向きに倒れているのに気付いた。 「ゆっくりおはようっ、おにーさん」 と久しぶりに元気に挨拶し、ぴょんっ!と跳ねて体勢を立て直そうとしたが、上手くいかない。 何だろう。体が妙に重いが…… 横向きになったままの自分の下部に目をやる。 見たことのない白黒のお洋服、すらりと伸びた手足が見える。 これは、もしかして……!! 「ゆわっ、ゆっゆわああああぁあ……!!」 まりさは”全身”に力を入れ、元気に跳ね起きた。 低かった視線がぎゅーんとお空に舞い上がり、固い地面さんを踏みしめる奇妙な感覚がずーんと伝わってくる。 まりさは一晩にして胴付きになっていたのだ。 慣れないような、それでいてしっくり来るような胴の操縦感覚を楽しみつつ、まりさははしゃぎ回った。 昨日までの冴えない自分にさようなら。 今日からのまりさはすべてが違う。 恍惚の表情を浮かべ、ひたすらくるくると回り、ばたばたと走り回るまりさはまだ気付いていなかった。 昨日の夜と、今日の朝で決定的に変わっていることがもうひとつ。 まりさが目覚めたその場所はお兄さんのおうちではなく、見たこともない森の中だった。 つづく
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「ゆっくり~~♪ していってね~~~♪」 「「「ゆっくり~~♪ していってね~~~~♪」」」 「きょうもにこにこひゃっくてんだよ!!!」 ここに一つのゆっくり霊夢一家がいる。 親である霊夢と子供が十数匹の標準的な家族である。 その親霊夢を先頭に、向かっているのは人間の里。 「ゆっゆ♪ ゆゆゆ♪」 ご機嫌な様子で歩いていくお母さん霊夢。 何がそんなにうれしいのか、その答えは今しばらくすればわかるのであろう。 「ゆっゆ♪ ちゅいたよ♪」 「それじゃあ!! ゆっきゅりしようにぇ!!」 「「「「ゆっきゅりしゅるよぉ~~~~~!!!!」」」」 あるモノは廊下を走り回り、またあるモノは畳の上でごろごろと転がる。 ゆっくりにしてみれば、ゆっくり遊んでいるのであろうが、ここは人間の家である。 人間の家はゆっくり出来るものが沢山ある。 それは『この一家ならずも知っていること。 そして、この一家はゆっくりするためにここに入り込んだのだ。 そして、珍しいことに一家は、何一つ家の備品に触れてはいない。 ただ転がって遊んでいるだけなのである。 「お前ら!! ここで何をしてるんだ!!!」 仕事から帰ってきた男は、無人のはずの我が家から聞こえてきた声に驚いた。 しかし、すぐにその声の正体が分かると、怒りに身を任せて家の中に入り込んでいった。 「ゆゆ!! おにーーさんおかえりなさい!!」 「「「おっかえりなっしゃ~~~~~い♪」」」 男の緊迫した声とは対照的に、一家はのほほんとした口調で男を出迎えた。 「おい!! ここが誰の家だか分かってるのか!!」 「ここはおにーさんのいえだよ!!」 「……分かってるのか?」 自分の予想が外れた男は、呆気にとられ一度怒りを忘れたようだ。 「ゆっゆ!! れいむはあたまのいいゆっくりだから、きちんとわかってるよ!!」 「れーみゅたち、おにーさんのおうちのものさわってないよ!!」 「たべものもたべてにゃいよ!!」 「ちかきゅのきゃわで、かりゃだをありゃってきたから、きれいだよ!!」 「ゆっゆ♪ れいむたちはなにもわるいことしてないよ!!! だから、おこらないでね♪ おにーーさん!!」 「ほー……。そうか、それは偉いなぁ~~」 感心したように、うんうんと首を振りながら一家に語りかける。 「ゆっゆ♪ えらいでしょ♪ ごほーーびにすこしたべものちょ~~だい♪」 「んなわけあるかーーーーーー!!!!!」 ごぶ。 と鈍い音と共にお母さん霊夢に鉄拳が振り下ろされる。 「と゛う゛し゛て゛ーーー!!! れいむたちなにもわるいごとしてないよぉーー!!!」 「「「おがーーしゃーーん!!!」」」 口から餡子を吐き出しながらも、男に向かって非難ともとれるような言葉を投げかける。 「おかーしゃんだいじょーぶ?」 「あたみゃいたいいたいにょ?」 「れーみゅが、いちゃいのいちゃいのとんできぇーー!! してあげりゅりょ!!」 重症を負った母親のもとへ集まった子供達が、文字通り男の事を忘れ必死に手当てをしようとする。 「こらこら。無視はよくないぞ♪」 「ゆゆ!! ゆっくりはなしちぇね!!」 「ゆ!! いもーとをはなしてね!!」 一転、母親もろとも男のほうへ振り向き、声を上げて男とその手にもたれた赤ちゃんに呼びかける。 「はい!! ここで問題です!!」 小さい子を黙らせるように、大きな声で言い放った男は、手にしたゆっくりを握りながら、さらに説明を続けた。 「今から、お兄さんが君達に質問をします。その質問の中で、『悪いこと・うそ』があったらこの赤ちゃんは朝食に嬉しい、おいしいおいしい餡ペーストになってしまいます!!!」 「ゆ!! ゆ~~~~♪」 何だ、そんなことか、とでも言いたげな一家。 何しろ、自分達は頭の良い、良いゆっくりなのだ。 きっと、馬鹿なゆっくり達はここで間違ったことを言って殺されてしまったのだろう。 これをきちんと答えれば、この人間もきちんと分かってくれる。 もしかしたら、お家で飼ってくれるかもしれない。 一度みた、あの金ぴかに輝くバッジを自分達も付けて歩けるかもしれない。 「ゆっゆ♪」 「ゆきゅ~~~♪」 周りを見ると、子供達も母親と同じ事を考えているようで、なんとも緊張感のない表情をしている。 「ゆっくりきっちりりかいしたよ!! おにーさんはやくもんだいをだしてね!!」 「「「「だちちぇねーーー!!!」」」」 すでに勝った気でいる一家、その一家に男はゆっくりと問題を発表した。 「第一問!! 勝手に人のおうちに入るのは良いことかな?」 「「「こたえは、のーだよ!!」」」 「正解!! では第二問!! 君達は何で人のおうちに勝手に入ってきたのかな?」 「「「ゆっゆ♪ れいむたちはわるいことしてないよ♪」」」 「ダウト!!」 「んじゃらっぺいぽんち!!!」 ニコニコしている一家に、握った右手を近づけて一気に握り潰す。 くぐもった悲鳴が聞こえた後、どろっとした餡子が流れ落ちていく。 「ゆ!! れいむのあ゛か゛ぢゃ゛ん゛がーー!! どーーじでこんなごとするのーー!!」 「あかちゃんが、いたいいたいになっちゃったー!!」 「ゆぐぅーーー!!!!!!」 騒然となる一家。 そんなことはお構いなしに、男は二匹目の赤ちゃんを掴み、問題を再開する。 「第三問!! 君達は勝手に人間の家に入った?」 「ゆー……。あがじゃんがーー!! いだいいだいになっじゃったー!!」 「ゆっぐり、かわいいあかちゃんが……」 「……西村因みに、答えなくてもおいしー朝食餡ペーストになります」 「「「ゆっぐりかってにはいったよ!!!!」」」 「正解!! では第四問!! 勝手に家に入るのは悪いゆっくり、間違いないね!!」 「「「ゆっくりまちがいないよ!!」」」 「正解!! ではでは、最終問題!!!」 「ゆ……」 緊張していた一家からため息が漏れる。 後一問、それだけで自分達は解放される。 もう人間の里に近づくのはよそう。 良い事をしたのに、こんな目に合わせる人間とはゆっくりできない。 森に帰ったら、ゆっくりと暮らそう。 「じゃじゃん!!」 その前に、この問題をさっさと片付けよう。 「悪いゆっくりは一匹残らず駆除する!!!」 「ゆ?」 「「「ゆゆゆ!!!」」」 一家の表情が曇る。 確かに、悪いゆっくりはそうしても良い。 でも、確かさっき自分達は、かってに家に入るゆっくりは悪いゆっくりだ、と言った気がする。 つまり、自分達は悪いゆっくりになる。 だったら、自分達も駆除させる。 「どうしたの? この子、朝食に出してもいいの? 食物繊維たっぷりのおいしー餡ペーストになるよ」 「ゆぐぐ……」 「「「ゆーーーー……」」」 残された一家は答えられなかった。 答えたら、自分達は多分死ぬ。 おそらく、ちょーしょくにあんぺーすととして出されるのだろう。 しかし、黙っているか、うそを言えば、死ぬのは今男に握られている赤ちゃんゆっくりだけだ。 そうだ!! うそを言えば良いんだ。 悪いのは、人間に捕まったあの赤ちゃんだけだ。 よし、うそを言おう。 「……」 「「「ゆ!!」」」 無言の母親の視線でも、こういう場合の考えは一緒なのだろう。 全員が全員、こくりと頷き男のほうに向き直る。 「だ「しょうだよ!! わりゅいゆっきゅりはいっぴきのこりゃずくじょすりゅんだよ!!」 ゆゆ!!」 だめだよ!! と言おうとした一家より、一瞬誰かが答えた。 答えた主を探そうとする一家だが、全員首を横に振り、関係ないという意思を表示する。 となると、残された選択肢は一つ。 「おかーーしゃんがいちゅもいっちぇたもにょ!! わるいゆっきゅりはみんなしんでいいって!!!」 「「「「と゛う゛し゛て゛ぞんなごというのーーー!!!!!」」」」 全員が、男の、その手のひらに乗せられている赤ちゃんに向かって声を荒げる。 「ゆ? じゃって、おかーしゃんたちなかなきゃこたえないかりゃ、れいむいたいいたいしたくなきゃったもん!!」 プクーと頬を膨らませて、一家を見下ろしながら答える赤ちゃん霊夢。 「そうそう。えらいな~~♪ ちゃんと分かってるじゃないか」 「ゆっゆ♪」 そうして、その霊夢の頭をなでながら優しく語りかえる男。 この位置からでは赤ちゃんには見えないが、一家には男の顔が見えた。 まさに、一家にどのような処罰を与えようか考えている顔であった。 ~~~~~ ここは加工場の一室。 毎日限定生産される家族饅頭セットの備蓄室である。 「ゆっくり……」 この一室の新たな主は一つの霊夢一家。 普通なら、暴れまわるこの一家だが、一匹を除きその様な気は起きないらしい。 「ゆっきゅりだちてにぇ!!」 必死に騒いでいるのは赤ちゃん霊夢だった。 あっちの壁に体当たりしたかと思えば、こちらの扉に体当たり。 「……」 大きな個体が生気を失ったように佇むなか、赤ちゃんが行うその行為は、まさに奇妙なものだ。 「ゆ!! れーみゅたちはわりゅいことしちぇないよ!!」 「…………」 「おかーーしゃん!! れーみゅたちわりゅいことしちぇないんだかりゃ、はやくここきゃらでて、おうちかえりょーね!!!」 「……ゆっくり……そうだね……」 「ゆっきゅりだちてにぇ!! れーみゅたいはいいゆっきゅりだよ!! おかーーしゃん、いちゃいいちゃいだかりゃ、はやくかえらしぇちぇね!!!」 「「「…………」」」 いよいよ出荷されるその日、その赤ちゃん霊夢は最後の最後で自身の罪を知り、どの家族よりも絶望して逝ったという。 まるでアクセントのように、一部に強力な甘さの餡子を残して。 ~おまけ~ 「うーー!! れ☆み☆りゃ☆はこうまかんのおぜーーさまなんだぞーーー!!!」 そう叫ぶゆっくりれみりゃがいるのは間違いなく紅魔館の玄関であった。 庭に住んでいるものがまた勝手に入ってきたのだろう。 「う~~!!!! う~~~!!!」 調度品を見て、奇声をあげるその姿は、お嬢様らしからぬモノであるが。 「う~~~!! れみりゃはおなかがすいたーーー!! さくやーー!! さくやぁ~~~?」 一転、笑顔になったれみりゃが声を張り上げ食事を要求するが、ゆっくりに食べ物を与える輩はここにはいない。 「うーーー。うーー!! うう!!」 スカートの裾をぎゅ♪ っと掴んで涙を浮かべていたれみりゃだったが、何を思ったかスッと近くの部屋から怪獣の気ぐるみを持って戻ってきた。 「うっう~~♪」 お気に入りの気ぐるみを貸してあげるから、早く出て来い!! と言うことらしいが、あいにく酔っ払いでもしない限りそんな趣味の悪いものなんて着たくない。 痺れを切らしたれみりゃは、テコテコと自分の足で食べ物を探し始める。 「うぎゃ!! うーー!! うーーー!!」 途中何も無い所で転び、目に涙を浮かべ口を結び、まさに今にも泣き出しそうな事もあった。 「うーーー……、おなかへっだーーー……」 が、泣くのを堪えて再びよろよろと館内の捜索に戻った。 それから、幾分の時間が過ぎ、ある大きな入り口の前を通りかかった時、れみりゃはそこから大勢の声と、食べ物の匂いを感じる事が出来た。 「うーー!! ごはんたべりゅーーー!! おかしもってきてぇーーー!!」 既に疲れきったれみりゃは、近くにいた女性に声をかけると、うんちょ♪ と台の上に飛び、木製のベッドに横になり目を瞑った。 「う~~~……う~~~~……」 直ぐにうとうとし始める、幸せそうに口元から涎を垂らして。 「……あら、今日の夕ご飯はれみりゃだったかしら?」 「う~~……!! うあーー!! うあーーーー!!!」 疑問系で、しかもいまいち確証が無いにも拘らずテキパキとれみりゃを捌いていく。 「やめでーーー!! れみりゃなのーー!! れみりゃーーー!! はやくやめるのーーー!!!」 「……そーらのかなたに♪ みーちるひーぃかり♪」 れみりゃの言葉は一切聞かずに、鼻歌を歌いながら調理を進めていく。 「うぎゃーー!! れみりゃのあしがーー!! さぐやーー!! だすげでーー!!」 「まじかる♪・さく「んじゃーーー!! ああーーーーー!!! うあーーーー!!!」」 ……。 「今日は少しおかずが多いんじゃないかしら?」 「そうですか? でも食べ切れますよね?」 「それは、そうだけれども……」 「なら問題ないですね」 「はぁ……」 このSSに感想を付ける
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ゆっくりを低温度であぶりつづけると、臨界を迎えて爆発 することは有名である。 とはいえ、外皮が薄いため、うまく破裂することは少ない。 だが技術の進歩はすさまじく、ゆっくりの加工、あるいは改 良ゆっくりを生み出すことにより、技術的問題を克服し、ゆ っくりを軍事転用することが可能となった。 所謂、悠(ゆっくり)式計画の成果である。 悠式計画の最終目標は、巨大高機動ゆっくり母艦の開発で ある。機動式ゆっくりは、複数のゆっくり皮を連結し、内部 に餡を詰め込むことで生産される。従前では、機動的だとは とても言えない出来であった。薄皮のため連続運用に堪えら れず、常に分解整備を必要とするため、コストが尋常でなく 跳ね上がるのだ。連結部分も脆弱なため、防禦力が薄く、そ のため攻撃や運動性が著しく低い。これならば、軽歩兵ゆっ くりを直接投げつけたほうが、現場の効果は期待できる。 だが悠式機動ゆっくりは、ただ餡を皮で包んだ、でかマン ジュウとはコンセプトがまったく異なる。機敏に、かつ重厚 な攻撃力を目的に開発されるのだ。ブロックごとに皮で包ん だ餡と、その中で個別に連動させる乖離型ゆれまり機関はか つてない繊細さと力強さを発揮出来る。電子連動された餡核 同士が密接に疑似ニューロネットワークを作り上げることに より、簡易的ではあるが量子演算と疑似人格を持たせること が出来る。統一的かつ機能的に、すなわちまさしく機動的な 運用が行われることになる。 国がいくつか傾くほどの予算と時間を費やして――実際に 傾きすぎていることは置いておく――、ついに開発が終了したのだ。 ・ ・ ・ 「ってことに、なっているわけだが!」 俺は嘆息して、実験場に詰まれたくず山を見上げた。 「もしかしてこの腐った餡の山がその高機動なんちゃら じゃあありませんよね?」 俺の嫌味な視線を軽くいなして、尊敬すべき偉大なる上 官は受け答えた。 「いいかね、我らの敵はあまりにも強大だ。だからこそ、 この計画に期待が集められ、そしてついでに金を集められ たのだ。悪鬼殲滅こそが至上目的であって、つまり敵国を 滅ぼすのが我らの使命なのだが」 ゆっくりの加工工程について書かれた原稿用紙を何枚か 摘み上げながら、続ける上官。 「……なんとか来週までに殲滅してくれんかね」 ・ ・ ・ 「ゆっくり! ゆっくりだよ!」 「わー! ゆっくり出来るよぉー!」 次々と空を舞うゆっくり達。 基地からは盛大な拍手と、壮行の万歳が行われていた。 「ゆっくりー! ゆっくりしてくるからねー!」 「ゆー、ゆー♪ 空、ゆっくりだー♪」 数千、数万にも及ぶゆっくりの飛行編隊は、風の向く まま流されていった。 ・ ・ ・ 「少し、寒いね! でも空高いんだね!」 基地から飛び立ち、数十分程。 ゆっくりよりもよりゆっくりした気球に括り付けら れたゆっくり達は、快適な空の旅を楽しんでいた。振 り落ちないよう、台座ではなく、銅板にすっぽりと包 まれたゆっくり達は、ちとせゆっくりのように滑稽で はあったが、気にする者はいなかった。 また銅版は微弱だが電波を送受信出来るため、互い のゆっくりがおしゃべりするのに何も問題はなかった。 「でも少し怖いね! ゆっくりできるかな!」 「大丈夫だよ、だってこんなに気持ちいいもん! れいむなんだかゆっくり眠いかも……」 ゆわーっ、と大きくあくびをして、ゆっくりと寝入 り始めるゆっくり達。 気球は空を飛びつづける。 ・ ・ ・ 「さむ……ゆっく、さむぃ……」 「寒いねえ……でも、オヒサマきれー」 現在の高度は約2000メートル。 夏場とは言え、流石に寒さが身にしみ始める高度だ。 「白い海だよ! 寒いけどゆっくりできるよ!」 雲海の狭間に沈む夕日は、どこまでも幻想的で、 そしてゆっくりであった。 「ゆっくりしていくね! でも寒いね!」 ・ ・ ・ がちがちと震えが止まらない。 真っ暗な世界で、ゆっくりの身をまとう銅板が、 容赦なく体温を奪ってゆく。叩き付ける強すぎる 風に煽られ、翻弄されながら飛んでゆくゆっくり達。 高度8000メートル。極寒の世界だ。 「ゆっぅっ! さっ!! む゛ううう!」 「うぎゃああああ! だずげでえええ! だず げえええ!」 「どうじでごんなー! あ゛あ゛あ゛!!」 穏やかな気候の下で育てられた彼女達は、10 度を下回る世界ですら極寒となる。ましてや、零 下20度だなんて、「これぞまさしく冷夏だね! 」と言うギャグを放つ気力すら奪う程に寒い。 ばりばりとした冷気は、ゆっくり達を蝕んでゆく。 ゆっくり、ゆっくり。 ・ ・ ・ 「いだいいいいいいいいいいいいいい!」 ゆっくりのだれかが叫ぶ。 乾ききったこの世界で、あまりにも寒い空の上 で、さらに冷たく光る銅版は、ゆっくりの後頭部 を裂き始めた。冷たくなった銅版は、ゆっくりと 中身を締め上げ、また冷気は皮膚を冷たく焼き切 る。びり、びりいと音が聞こえて来るような程、 今までにない悲痛な表情を浮かべるゆっくり。 「も゛れっ! やあああああ!」 側頭部から後頭部にかけて、ぴっちりと銅版に 覆われているため、中身が漏れることはないのだ が、ゆっくり達にわかるはずもない。 後頭部の避けるゆっくりの数は次第に増えてゆ き、ある者は白目を向き、ある者は虚ろに笑いな がら、空の旅は続く。 暗い海の空高くに輝く三日月は、そこに住まう 者のように笑っているようだった。 ・ ・ ・ 「……ゆ?」 暖かい。 先ほどから、寒いのは変らないが、少し暖かく なってきていた。雲の切れ目から見える青い海は、 夜とは一転して輝いて見えた。時刻は昼より少し 前だろうか。 「あれ、ゆっくりできる!」 「ゆー! ゆーっく!」 「きっと、基地のおにいさん達が助けてくれた んだよ!」 誰かが気が付いたように叫ぶ。 「おにーさん、ありがとー! ゆっくりできる よー!」 「ゆっくりー♪」 ゆっくりし始めたゆっくり達は、ゆっくり出来 たため裂けた後頭部も癒えてきたようだ。 ・ ・ ・ 「あ゛づいいいい! あづ、ゆ、寒あづいいい!」 遮るもののない中空で、太陽光を存分に吸収した 銅版は、くるまっているゆっくり達を熱で苛んでいた。 また、ゆっくりの上に設置された発熱装置自体が、 更なる熱を生み出していた。 「ゆ゛ふううううう! ぶぐううう!」 「ゆっぐりじだ、ぐうううう」 全員が顔を真っ赤にさせ、くちをぱくぱくとさせている。 泡を吹いて気絶できた者は幸せだろう。 ふと、陸地が見えた。 「ゆっくり! ゆっぐりでぎるがなあああ!」 ゆっくり飛行船団は、ゆっくりと陸地を横断し始めた。 ・ ・ ・ 「ちゃくちー! もうすぐちゃくちだよー!」 熱は大分収まったようだ。 ほとんどのゆっくりは起き出して、始めてみる異国 の町並みを見下ろした。 「綺麗だねー!」 「ゆっくりできるね!」 「ゆっくりしていってね!」 こちらを見上げる人々に向かって、みんなで挨拶を交わす。 「ぱれーどだー♪」 先頭のゆっくりが、こちらに向かってくる軍隊に気が付いた。 「どこどこ?」 「ゆっくりできる?」 突然、銅版が灼熱の輝きを発した。 「う? う゛、……うぎゃああああああああづびい いいいいいいいいいっくりいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいぎゃぶっ」 高度計と時限装置の組み合わせられた発熱装置が、 最後の燃焼を開始し、ゆっくりの最終臨海を導いた。 大きな爆風は、まだ遠かったため町並みを少し揺らし ただけに過ぎなかったが、ゆっくり達の心は千路にかき乱された。 どおうん! 断末魔と共に、爆発音がそこかしこで湧き上がる。 逃げ惑う人々。 だがゆっくりが逃げることは出来ない。 ゆっくりが逃げることは、出来ないのだ。 「やだああ! ゆっぐりでぎな゛っ!!」 防衛部隊に狙撃され、一瞬で絶命したゆっくりは、 爆散することなく地上に降り立った。恐慌は、数キ ロに渡って続くゆっくり飛行船団の末尾にまで広がった。 あと十数分で、運命を委ねなくてはならないこと を理解しているゆっくりはいなかった。理解しても 無意味ではあったろう。 二昼夜に及ぶ地獄の航行の末路が、灼熱の爆死か、 必殺の狙撃か。ただその二択しか待ち受けていないことなど。 ・ ・ ・ 大本営発表 本日、悠式計画の最終段階である飛行船団ゆっく り爆弾は、敵本土を焼き尽くし、悪鬼の心に拭えな い恐怖を植え付けたことを報告する。 これにより悠式計画は一応の成功を迎え、次の段階に進…… ・ ・ ・ このSSに感想を付ける
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imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (画像ファイル名または画像URL) ある夕暮れの森の中を、鳥とも蝙蝠とも言いがたい生き物が、人の大人の目線程の高さを飛んでいた。 「うー!うー!」 その奇妙な生物は、ゆっくりの一種で、主に“ゆっくりれみりゃ”と呼ばれている。 まん丸の体の両端には、蝙蝠のような羽があり、ピンクの帽子を被った愛くるしい姿で、ゆっくり種の中では比較的 希少な部類に入る。 そんな可愛らしいゆっくりれみりゃだが、食事は同じゆっくり種の“ゆっくりれいむ”や“ゆっくりまりさ”を好ん で捕食する。 どうやら、そのゆっくりれみりゃが、今日の晩御飯を見つけたようだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 森の中の湖のほとりで、ぴょんぴょん跳びはねているのは、ゆっくりれいむだ。 どうやら、蝶々と戯れているらしい。 (蛇足だが、最近の研究によりゆっくりにも…例えばゆっくりれいむなら可愛らしい無垢な顔つきのタイプと、生意気 で憎たらしいタイプの二種類が存在することが分かってきている。このゆっくりれいむは無垢なタイプのようだ。) 「うー!うー!たべちゃうぞー!!」 早速、ゆっくりれいむに襲い掛かるゆっくりれみりゃ。 「ゆっくり!?」 ゆっくりれいむが気づいたが、もう遅い。ゆっくりれみりゃはゆっくりれいむに乗り掛かりその羽で押さえつけると。 噛み付いてムシャムシャと食べ始めた。 「ゆうううっ!!!」 悲鳴をあげ抵抗するゆっくりれいむ…だが、いかんせん羽の押さえ込みが強く、ゆっくりれいむではどうすることも できない。頭部に激痛が走り、涙を流して命乞いをするゆっくりれいむ。 「ゆっぐりだずげでえええっ!!!」 しかし、そんなことはお構い無しに食事を続けるゆっくりれみりゃ。そして、人間であれば、脳味噌があるだろう部 分を半分ほど食われた段階でゆっくりれいむは白目を向いてビクンビクンと痙攣を始めた。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 こうなれば絶命するのはすぐそこだ。 そうして、ゆっくりれみりゃは、大人しくなったゆっくりれれいむをそのまま食べ尽くすと。 「うー!うー!」と満足げに鳴き、 また飛び立っていった。 それから二時間後、まだゆっくりれみりゃは空のお散歩を続けていた。あたりはすっかり夜だったが、満月の光が森 の中を照らしていた。 「うー!うー!」 先ほどの餌がよほど美味しかったのか、ゆっくりれみりゃは上機嫌に空を飛んでいた。 そう、“天敵”の気配に気付かないほどに…。 突如、ゆっくりれみりゃが空中でピタリと止まる。顔が、ニコニコしたものから、カッと目の見開いた表情に一変す る。 それは、“天敵”の接近を許してしまったからだ。 その天敵とは、ゆっくりの中でも一、二を争う希少性と凶暴性を持つ、ゆっくりフランだ。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは狂気を帯びた笑みを浮かべながら、ゆっくりらしからぬ攻撃的な鳴き声をあげてゆっくりれみりゃ に襲いかかる。 「うあー!うあー!」 Uターンし、泣きながら逃げるゆっくりれみりゃ。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 恐ろしい形相でゆっくりれみりゃを追いかけるゆっくりフラン。 スピードはほぼ互角か。しかし…。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりれみりゃの目の前に何ともう一匹のゆっくりフランが立ちはだかる。 絶句するゆっくりれみりゃ。 それにしても、超希少とされるゆっくりフランが何故二匹も…? 実は、原理は解明されていないが、ゆっくりフランは自身の体を複数に「分身」することができることが、八意永琳 の研究により分かっている。これは“フォーオブカインド現象”と呼ばれ、ゆっくり七不思議の一つとなっている。 「うあー!うあー!」 挟み撃ちにされ、逃げ場を無くして混乱するゆっくりれみりゃ。 そんなゆっくりれみりゃに、二匹のゆっくりフランは容赦なく飛び掛る。 「ゆっくりしね!」 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフラン達はゆっくりれみりゃの翼にかじりつくと、凄まじい力で思いっきり引っ張りあった。 まずは逃げ足を無くすためである。 「うあー!うあー!」 ブチブチと、ゆっくりれみりゃの体から翼が引き剥がされていく。 ゆっくりれみりゃは痛みで暴れ出すが、ゆっくりフランの力は凄まじく、打つ手が無い。そして、 ブチィっ!!! ほぼ同時に両の翼がモギ取られる。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 ボトッと地面に落下するゆっくりれみりゃ。翼を無くしたゆっくりれみりゃは他のゆっくりように跳び跳ねることも できず、這うのがやっとだ。その姿は滑稽きわまりない。捕獲に成功したゆっくりフランは、体を一つに戻すと、ゆっ くりれみりゃに張り付き、先ほどゆっくりれみりゃ自身がゆっくりれいむにしたように、上から押さえつけて、食事を 始めた。 グチョ 「うあ゛ー!!!」 グチョ 「うあ゛ー!!!」 ゆっくりれみりゃはゆっくりれいむやゆっくりまりさ等と違って中身は餡子ではなく赤い血肉そのものであるため、 正視にたえない。 しかし…二回程カジってゆっくりれみりゃの肉片を飲みこんだ後、ゆっくりフランは食べることを止めゆっくりれみ りゃを解放した。 「う゛ー!う゛ー!」 激痛でのたうちまわるゆっくりれみりゃ。 何故、ゆっくりフランはゆっくりれみりゃを食べるのを止めたのか…。 実は、ここからがゆっくりフランがゆっくり達に最も恐れられる理由なのだ。 ゆっくりレティやゆっくりゆゆこは、ただ食べるためだけに、他のゆっくりを襲う。 それは野生の動物の世界では極々当たり前のことだ。 しかし、ゆっくりフランは違う。食べるためだけではない。他のゆっくりを「玩具」にするためにも襲うのである。 狂気の時間の始まりだ。 ゆっくりフランは、翼をもがれ文字通り「肉団子」となったゆっくりれみりゃの髪の毛を噛んで掴むと、そのまま高 速で森の上空へと飛び立つ。 「う゛ー!う゛ー!」 今や翼を失ったゆっくりれみりゃにとって、高いところは恐怖そのものでしかない。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランはそう言うと、急降下して、ゆっくりれみりゃを、岩の角に叩きつけた。 「う゛う゛ー!!」 ゆっくりれみりゃの左目の部分が潰れ、血肉が飛び散る。 更に、その傷の部分を地面に押し当て、引きずりまわす。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛ー!!」 悲鳴をあげるゆっくりれみりゃ。 生かさず、殺さず。…二時間程ゆっくりフランはゆっくりれみりゃを弄んだだろうか。 ゆっくりフランは最後の仕上げとばかりに、虫の息のそのゆっくりれみりゃを“ある場所”へと運びだす。 …森の更に奥の奥に、その場所はあった。 その空間の地面には、先端の尖った鉄の槍のようなものが、いくつも突き刺さっていた。 おそらく、昔の戦争で使われたトラップだろう。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、そのまま、ゆっくりれみりゃを、生きたまま槍の上に突き刺した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 それはちょうど百舌の早贄のようだった。 自身の重みで、ズズズ…とより深くゆっくり貫かれていくゆっくりれみりゃ。 ジタバタするが、もはやこの状況から逃れることはできない。 「う゛ー!う゛ー!」 中途半端な生命力が仇となり、このゆっくりれみりゃは餓死するまで死ぬこともできず、もがき苦しむことになるだ ろう。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、新しい“コレクション”が手に入り上機嫌だ。 コレクション…?。 そう、そのゆっくりフランがプロデュースする“美術館”に、串刺しにされているのは、このゆっくりれみりゃだけでは ない。ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 、ゆっくりぱちぇりー、ゆっくりちぇん、ゆっくりみょん、ゆっくりすわこ、 そして他のゆっくりれみりゃ…。 様々な種類のゆっくりが、あるものは体の底から、あるものは体の耳から、あるものは頭頂部から逆さまに、あるも のは顔面から、皆それぞれ串刺しにされていた。 もちろん生きたまま。 「ゆっぐりだずげでえええ」 「ゆっぐりでぎないい」 「いたいimageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (画像ファイル名または画像URL) 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 よおおお…」 「ゆっぐりじだいいいいい」 「むぎゅうううぅぅん」 「ちんぽでぎないいいい」 「だずげでケロ~」 「う゛…!う゛…!」 合計すると、30匹はいるだろうか。 体をジタバタさせているゆっくりもいれば、ピクリともできないゆっくりもいる。 傷口が腐り、虫にたかられているゆっくりもいる。 正に、地獄絵図…。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、その生きたコレクション一つ一つに声を掛け、苦しむ様を興奮した眼差しで確----
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前置き ゆっくりのセリフに読みやすくなる程度に度漢字を使用しております 補足は最後に適度にしてます しーしーの穴=まむまむとしています 舞台は幻想郷じゃない現代っぽいどこかです ゆっくり実験所 加工所やゆっくり見せモノ屋と違いゆっくりを研究し実験する施設 加工所と密接な関わりを持ち虐待用品からゆっくりフードまで幅広く開発する会社である しかし職員に好き物が多いのは言うまでもなく嗜好的な実験も数多く存在する 「そういえばさ、胎生出産のヤツってでるとこなくなったらどうなるんだ?」 職員の一人の言葉からこの実験ははじまった ある程度の個人的趣味は取り入れてもいいとはいえ実験前は所長に許可を取りに行くのが通例である まぁたいていは一言で終わるのだが 「おうおうやれやれ」 こうしてこの実験は開始された まずは胎生型のゆっくりペア(れいむxれいむ まりさxまりさ ありすxありす)を3組用意する そして人工的に発情させ夫婦共々にんっしんっすれば準備完了である 約2週間後- 「そろそろ赤ちゃん生まれそうだな」 「ゆゆ!れいむのあかちゃんもうすこしでうまれるよ!」 「れいむはうごけないからおにーさんもっとたべものをもってきてね!」 はいはい・・・と適当に相槌をうち白玉に少し砂糖をまぶした物をケージの中に放り込む 「「むーしゃむしゃしあわせー」」 元野良の2匹にはこれだけでも至上のご馳走である それを2週間も与え続けたためこの2匹はおにーさんへの警戒心がまったくなくなっていた 「おいしいのはいいが・・・お前達知ってるか?」 「ゆ?なんのこと?」 「いやな・・・・ゆっくりの間で流行ってる病気なんだが」 「ゆっ!?れいむたちびょーきなの!?」 饅頭であるゆっくりにも病気はある 野良は特に虫を媒介とした寄生虫や湿気によるカビ・・・ 何でも餡子に変えるが十分に栄養を取れないと病気になるらしい 「お前達はいいんだがお腹にいる赤ちゃんが死んじゃう病気らしいんだ」 2匹の顔が強張る ここにつれてこられ不安なときに相方とであった おにーさんがゆっくりぷれいすとご飯をくれてはじめてゆっくりできた日に結ばれた二匹 そしておにーさんの[ここでしばらくゆっくりしていいから2人で出産すれば?]の言葉からすっきりし合ったあの日 ずっとゆっくり幸せだった瞬間が壊れるかもしれないとよぎる 「おにーさんれいむのあかちゃんたすけてね!」 「にんげんさんなられいむたちのびょーきなおせるでしょ?ゆっくりしてないでなおしてね」 ここに来たとき1匹は瀕死の重傷だったのをおにーさんが小麦粉と水とオレンジジュースで治したのを覚えていたのだろう 「うーん、でもお腹の中の赤ちゃんだぞ?お腹を切らないと手術できないしなぁ」 「ゆっ!?そんなことしたられいむしんじゃうよ!そんなこともわからないの?」 「そうだよ!またあんないたいおもいしたらゆっくりできないよ!」 ゆっくりじゃなかったらゆっくりできないどころじゃなく死ぬ 「大丈夫だって、れいむだって餡子でてたのに生きてるだろ?赤ちゃんのためにあれをがまんできるかできないかだよ」 「ゆぅ〜・・・」 「おにーさん・・・れいむのおなかをきってね!」 「ゆゆ!れいむなにいってるの!そんなことしたらしんじゃうよ!」 「おなかをきってしゅじゅつしないと赤ちゃんしんじゃうんだよ!れいむもゆっくりりかいしてね!」 「ゆ〜・・・わかったよ!おにーさんれいむもゆっくりしゅじゅつしてね!」 もっと悩んでもいいと思うがさすが餡子脳 即決で切腹することを決めるあたり子供思いというか単純というか 「OKOK、じゃあ手術は明日するからそのつもりで今日はゆっくり休んでおけよ」 「ゆっくりりかいしたよ」 「おにーさんもゆっくりねてね!」 こうしてれいむ夫婦の実験のための説得が完了した ちなみにまりさとありすもこんな感じの説得だったため割愛する 眠らせてもいいが面白くないのと反応を記憶したいので起きたままの状態で手術がはじまった 手術といっても別段病気でもないしゆっくりを説得するためにつかった言葉なのだが 「い”だい”!!!!やべでええええええええ!!!!!!」 と、台の上でれいむが叫んでいる 「赤ちゃん死んで良いのか?」 「ゆ”ぐ!?だめだよ!ゆっくりしてないではやくしゅじゅつしてね!」 想像通りの反応が返ってきたところで職員は手術を続行する 懸命な読者の諸君ならもうわかっているだろうが手術が終わるまでこんな感じであるため割愛する 「ゆぐぅ・・・れいむとってもいたかったよ!おにーさんばかなの?しぬの?」 「なんでいたくできないの!」 手術が終わったら手を返したように罵倒してくる 1匹は育ちがいいのか教育がいいのか悪口はいってこないがしょせん元野良なのでその程度である 2匹いるためか調子にのって暴言を吐く饅頭達 「しゅじゅつがおわったんだからあかちゃんのためにおかしをもってきてね!」 「そうだよ!さっさとばかなにんげんはれいむのおかしをもってきてね!」 「うるせぇな糞饅頭が・・・」 「「ゆ!?」」 突然職員の口調が変わる 手術をすればこっちのもの もうおだてる必要などないのだから 「黙れっていってんだよ!」 ズンっ・・・という音とともに殴られたれいむが吹き飛び壁に激突する 「ゆ・・ゆぐぅ・・・」 さすがゆっくりに実験と研究した職員 皮越しにもかかわらず中枢餡に一撃でダメージを与え気絶させる 「快・・・感!」 ビクンビクンするゆっくりを見て少々悦に入るこの職員変態である 「れいむしっかりしてね!おにーさんなにするのれいむはにんっしゆぎゃゃぁぁあああああ!!!!!!」 職員はもう1匹のれいむにも一撃をくわえる 今度はかなり手加減したので気絶していない 「なでぃずるの!でいぶはにんしんじでるんばよ!ばがなの!じぶの!?」 呂律が回ってないのも毎度お馴染みなので無視して職員はれいむの髪をつかみ持ち上げる 「やべでねでいぶのぎれいばがみのげさばらないでね!」 「いいか?おしえてやるよ」 「ゆ?」 「お前達の赤ちゃんは改造した」 「ゆ”ゆ”?」 かいぞう? ゆっくりにはその言葉が理解できなかった 「かいぞぶっでなびなの?」 殴ったとき歯が折れたらしくまだ呂律が回ってない あとでオレンジジュースでも注射しよう 「赤ちゃんを強くしたんだよだからあの程度どころかお前が潰れるぐらい蹴ったって赤ちゃんは死にゃしねーよ」 「ゆ・・・・・ゆゆ!りかいしたよ!さすがれいむのあかちゃんはゆうしゅうだね!」 呂律が戻ってる・・・オレンジジュースがもったないないしこのままでいいか 「俺が改造したって言ってるだろうがこの餡子脳!」 そういって壁に叩きつける 実は親も改造されているので中枢餡を吐き自殺もできない そして皮は丈夫に痛みはそのままという虐待専用改造である ちなみに真性虐待癖の人はこの改造はあまり好きじゃないらしい 「やべでぇえ”え”え”え”!!!!!!!」 「でいぶばにんじんじでぶんだよやべででぇ!!!!!」 この後職員は退勤時間まで虐待して遊び続けたのはいうまでもない 3度目なのでもう言う必要がないだろうがまりさとありすも同じような状態である 手術内容の報告- 「変わった趣向だな」 「今回は資金集めも担ってますからね」 「ふむ・・・」 所長と実験責任者がレポートのチェックをしている 「虐待好きのための見世物・・・か」 「気に入りませんか?」 「いやそうじゃない・・・私がしたかった・・・」 「所長はもうちょっと自分の権限使ったほうがいいですよ」 「そうかもな」 含み笑いをする二人 その笑みには虐待癖特有の感覚が含まれていた ゆっくりが見ればこれだけで震え上がるだろう 「共通してることは母体の強化及び赤ゆの強化及び成長促進剤の投与、そして出産直前までオレンジジュースで栄養過多の状態にします」 「それ以外はこのレポートの通りか」 「はい、目を通しておいてください」 れいむへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)を切除し溶いた強力粉で再生させる措置 強化してるとはいえ出産の圧力がどれほどかわからないため強力粉を使用している まりさへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)とあにゃるを切除し溶いた強力粉で再生させる措置 ありすへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)とあにゃるを切除し歯を溶かし上下を接着する措置 数日後- ありすは目が覚めた 周りには沢山の人がいるにも関わらずそこはとても静かであった 「んー!ん”−!」 必死に助けを求めようとするが歯が接着されているので話すことができるはずもない 出産まで少し時間があるので母体達がどのような状態か説明しておこう オレンジジュースを大量に投与されたありすの体はたぷんたぷんのデブゆっくりである 鏡の無いこの場所では自分の姿がどのようになってるかわからないだろう しかしこのありすは1匹ではない 伴侶を見るとたぷんたぷんのデブありすが目に入る 自然界のありすならば[いなかもの]と罵ったであろう このありすもはじめは伴侶がデブになっていく姿に軽蔑していたのだから しかしお互いいつからか理解してしまった 自分も同じ姿なのだろうということを れいむとまりさは言葉が話せる状態だったため 「まりさはまりさがどんなすがたになってもさいこうのつまとおもってるぜ」 「ぽっちゃりしたれいむもすきだよ!」 と言っていたのが気に入らなかったのか 職員は整形して作った超絶絶世美ゆっくりれいむとまりさを2組とすごさせとことんこの2組に惨めな思いをさせていた ちなみにこの美ゆっくりは中身を白餡に変えられ躾られているので虐待されたりはしない こうして説明してる間にどうやら時間が来たようだ 「ゆゆ!れいむのあかちゃんうまれそうだよ!」 「まりさのすてきなあかちゃんがもうすぐうまれるぜ」 「ん”−!(訳:とってもとかいはなあかちゃんがうまれそうね)」 こうして実験兼見世物は開始された 数分後(ありす編)- 「ん”ん”ん”ん”ん”!!!!!!ん”ん”ん”ん”!!!!!!!!!!!」 力んでも力んでも赤ちゃんが外にでる気配はなく終わらない激痛だけがあいすを支配する 「(あのまま殴りてぇ)」 「(動けない箱に入れて・・・ハァハァ)」 ここでは声を出すと退場となるんで観客たちは静かだが顔をみるだけでこの観客の98%が変態だとわかった 「ん”(略)(訳:どおしてうまれないの!?あかちゃんとかいなありすの子供なんだからゆっくりしてないででてきて!)」 眼球が半分隆起するほどの苦しみ 普通のゆっくりだけじゃなくほととんどの生物は死に至るであろう苦しみ だがその苦しみさえも強化改造されたこのゆっくり達には死に至らない程度の苦しみ 「ん”(略)(訳:ゆぎぃいぃいいいいい!!!!赤ちゃん何してるのぉ!??!?!?!?!?!)」 1匹のありすがこれまで以上の異常なほどの苦悶を浮かべる 「お、はじまりましたね」 「予想通りだが妄想より現実だなやはり」 「ですよねー」 研究員達は笑いながらありすの苦しんでる様をメモしている 「ん”!(略)(訳:どおしたのありす!?しっかりしてね・・・ゆぎゃぁああああああああ!!!!!!!!!)」 もう1匹のありすもさらに苦しみだした ここからは普通にありす達が話してますがしゃべれない状態です 別に書くのがめんどくさいとかじゃありませんわかりやすく分けただけですってば! [ゆぅ・・・このみゃみゃじゃありちゅはおしょとにでれにゃいんだよ・・・しょうだ!でぎゅちをさぎゃせばいいんだ!] (やべでえええええええええ!!!!!あじすのながびだべだいべぇえええええええ!!!!!!!) 出口がないなら出口を探す 親は言葉が話せないので静止することもできない 静止したとしても出ることがかなわないだけだが [むーしゃむーしゃしあわせー] (ゆぎゃああぁぁぁあばああああああああやべでぇえええええええいぎゃいびょぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!) 親の餡子を食べる子供 食べられ苦悶するがそれを伝えるすべを持たない親 成長促進の影響もあり食欲旺盛な子供の勢いは止まらない 甘いものを食べてるゆっくりは常識的に考えて止まらない 「おー、これは中々新鮮な苦しみ方ですね」 「あの不規則な中の規則的な痙攣・・・充血を超えて出血した見開いた目・・・流れ続ける涙・・・最高だ!」 もうやだこんな所長 [はやきゅそちょにでてみゃみゃにあいしゃちゅすりゅんだよむーしゃむーしゃ] (ゆ・・・ぎゃ・・・ばんで・・・・・・・・あが・・・ゃん・・・) さすがに餡子を食べられては強化されてるとはいえ限界であった [ゆ!?みょうたべりゃれりゅとこりょがにゃいよどうにゃったりゃでれりゅの?!] ゆあーんと餡子をすべて食べられた母親の中で泣きだす赤ゆっくり そこに職員が近づいていきナイフで母体の皮を切り穴を作った 「ゆ!おしょとだよみゃみゃにあえりゅよ!!」 「「ゆっくりしちぇいっちぇね!」」 父と母の中からて二匹同時にゆっくり挨拶 しかし両親からの挨拶はあるはずもなかった 「ありちゅちゃんちょあいちゃちゅできちゃよ!みゃみゃみょあいちゃちゅしちぇね」 「死ねるんだから挨拶できるわけないだろ」 職員が赤ゆに声をかける とびきりの現実と共に 「にゃにいっちぇるの!ありしゅはみゃみゃきゃらうみゃれちゃんだよ!」 「しょうだよ!みゃみゃがしんじぇたりゃありちゅはうみゃれてにゃいんだよ!」 なんでこんな知識があるかは不明だがこのさい置いておこう 「赤ちゃん達は外に出る前に甘い物を食べたよね?」 「ゆゆ!ありちゅはあみゃいもにょをたべちゃよ!」 「もちきゃちておにーしゃんがくれちゃの?にゃらもっとありちゅにちょうだいね!」 「あぁ食べさせてやるよ・・・」 そういってママの中に指をいれ残った餡子を取り出す 「にゃにちちぇるの!」 「やめちぇぇええええみゃみゃをいじめにゃいでぇぇぇええええ!」 「食べてみろ」 グイっと指をありすの口に入れる 「やめちぇねきもちわりゅい・・・」 「みゃみゃにょにゃきゃみなんてたべちゃくな・・・」 「「しあわせー!」」 二匹はしあわせーと美味しいものを食べたときの言葉を発する 「もっちょありちゅにたべしゃせてね!」 「もっちょちょうりゃいね!」 母親から取り出した餡子ということをすでに忘れている赤ゆ さすが餡子脳 「さてここで問題です」 「みょんだいにゃんていいきゃらおきゃしちょうりゃいね」 「今食べた餡子は何だったでしょうか?」 「おきゃしちょうらいっていってゆんだよ!ばきゃなの?しにゅの?」 「問題に答えれたらまた食べされてあげるよ今度はいっぱいね」 「ゆ!ゆっくりりきゃいしちゃよ!!」 「いぴゃいたべれりゅにゃらありちゅがんびゃるよ!」 問題に答えれば甘いものが沢山食べれるとゆっくり理解する しかし成長促進された餡子脳はしばらくすると気づいてしまった 「ゆぎゃぁぁぁあああああ」 「ありしゅ!?しっきゃりしちぇねどうしちゃの!?」 突然1匹が奇声をあげる そう気づいたのだこの赤ありすは 母親を食べたことを 「ゆべぇ・・・ゆがぁ・・・・」 「ありしゅがしにちょうだよ!ゆっきゅりぺりょぺりょしてにゃおすよ!」 そういって奇声を上げているありすを舐めるもう1匹のありす ペロペロのせいか落ち着きを取り戻したありすがゆっくり話し始める 「ありちゅ・・・ゆっきゅりきいちぇね・・・」 「ゆゆ?どうちちゃの?」 「ありちゅたちがたべちゃあみゃいおきゃちはねみゃみゃたちにゃんだよ」 凍りつくもう1匹のありす こちらも異常成長した餡子脳が理解したのだ 母親を食べたことを 「ゆ・・・・ぁ・・・・・みゃみゃ!!!!!」 「はいそこまでー」 母親の死体にかけよるありすをつかみ透明なケースにいれる職員 「にゃにするにょ!ありちゅをおりょして・・・」 ケースに蓋をされ外に声が漏れなくなった もう1匹も同じようにケースに入れられている こちらは傷心しうなだれているが 「さー、本日のショーの1つはここで終了です!皆様が今見たとおりこの強化されたゆっくりの強度は保障済みです いつもならこの赤ゆっくりは研究所いきですが今日はこの赤ゆっくりを競りに出したいと思います!!」 ウオォー!という歓声につつまれる劇場内 実験所で強化されたゆっくりが競りや売りにだされる事が稀であるため興奮が抑えきれないのであろう 「さぁまずは1000円から!」 こうしてありすの実験は終了した この赤ありすは今後死ぬまで虐待されゆっくりできることは数える程度の人生を歩むであろう 数分後(まりさ編)- 「あかちゃんゆっくりしすぎだよはやくうまれてきてね!」 ありす同様中々生まれてこない赤ちゃんに苛立ちを隠せないまりさ 日頃受けていた虐待がれいむやありすより強烈だったため出産の痛みはさほど苦しくないようだ 「どぼじでぇうばででごないどー!!」 と思ったら1匹は苦しいようだ 「まりさがんばってね!ふたりのすてきなあかちゃんのためだよ!」 「わ”わかったよ!まりさもがんばるよ!」 冷静なまりさが苦しそうなまりさを諭す そのおかげで苦悶していたまりさも落ち着きを取り戻し力むことを再開する だがいつまでたっても赤ちゃんがでてこない まむまむが広がらないのだ 「やっばでぃだべだよぉ!?」 「ゆゆっ!?なんであかちゃんうまれてこないのぉ!?」 さすがに冷静を保っていたまりさも不安がぬぐいきれなくなる 植物型にせよ哺乳類型にせよゆっくりは子供の出産を本能で理解している そのため自分をゆっくりな状態にして出産に挑むのが通例である 劇場内でこれだけの人目の中での出産は異常だが事実を切り離すことによりゆっくりな状態を作っている 本当に餡子脳はバカで便利にできている 「ゆばぁ!?ゆあああああげぇあああああああ!?!?!?!!???いだい!?いだいよぉあああああ!!!!」 苦しんでいたまりさが痛みを訴える 「ゆゆ?まりさどうしたの?」 「まりさのあん・・・こ・・・たべあ・・・・・ゆべぇ」 ゆべぇ・・・と口から黒い物体を吐き出す そしてその黒い物体はもぞもぞ動き出し 「ゆっきゅりしちぇいってね!」 ゆっくり挨拶をした 「ゆ?ゆゆ!?」 なんで赤ちゃんが? まりさの口から? なんで? 赤ちゃんがまりさを? 「ゆああああああああ!!!!!!!!!おなかのなかのあかちゃんはやくしんでね!」 ドスンドスンと何度も飛び跳ねお腹の中の子に死ねと言い放つ 毎度の事ながら都合よく危機を理解したのだろう 目の前の赤ん坊が外に出れず外を目指した結果を 「びゃ・・・ゆば・・・・」 どうやら赤ゆを吐き出したまりさはオレンジジュースを大量に与えていたおかげでかろうじて生きているようだ 正確には中身をぐしゃぐしゃにされ口内を突き破られた・・・だが 「しね!しね!おかーさんをころそうとするあかちゃんはしね!」 冷静だったまりさは狂ったように死ね死ねコールを連呼し飛び跳ねている 強化改造してるため普通のゆっくりの数倍のジャンプ力で飛ぶ姿は生首の幽霊が如くきしょい 良識ゆっくりと思ったらどうやらゲスが強いまりさだったらしい 「ゆっくりしてないでしねしねしねしねし・・・ゆぎゃぁ!!!!!!」 しかし中の赤ちゃん強化されている この程度じゃ死ぬわけが無かったのだ 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!!!!!!」 歯を食いしばり中で暴れる子供を殺すためジャンプし床に自分を叩きつけさらに壁に突進し子供を殺そうとする だがそれらは無駄に終わる 「ゆぎゃぁぁぁぁあああああああぁぁぁあああああ!!!!!!・・・・・ゆべっ」 またもや黒い物体を吐き出すまりさ 言うまでもなく中の子供である しかし様子がおかしい 「・・・・・・・・・・・・・・・」 ゆっっきゅりしちぇいってね! 赤ゆ特有の赤ちゃん言葉のゆっくり挨拶がない 「あがじゃん・・・・どぼじであいざずでぎばいの・・・・」 さっきまで殺そうとしてたゆっくりの発言と思えないがゆっくりしたい本能の脳内式は 『苦しい!』→『赤ちゃん生まれる』→『開放感&これでゆっくりできるよ!』 と簡単に上書きを完了させた 親だけが 「ゆっきゅり・・・しべぇ!!!!」 「ゆゆ!?」 生まれてきた赤ちゃんの最初の言葉 それは親に対する殺意 生まれてきた赤ちゃんとの最初のすりすり それは目への的確で強力な噛み付きであった 「ゆぎぎぃああああああ!!!!やべでぇ!?あがじゃんやべでぇえええええ!!!!」 出産の疲労と開放感と中身へのダメージで動けない親の眼球を 「ゆべぇ!」 あっけなく噛み砕いた子供 「どぼじでごんなごどするのー!?」 「ごみくずはだまってしんでね!」 「やべでぇ!やべでぇ!やべでぇ!やべでぇ!やべでぇぇぇぇぇええええええ!」 攻撃は続いたが強化されている母親は吹き飛ぶばかりで死ぬことはなかった それから数分後- 「はいそこまでー」 職員が赤ゆ二匹と瀕死の親をケースにいれ競りを開始した 後から生まれた赤ゆは体内で殺されかけたせいか二言目にはしっかり話ができるほど成長してたこともあり高く売れ のちに飼いゆっくり競技としてできる[闘ゆ]の伝説の初代王者となるのはまた別の話 ちなみに1匹目の赤ゆは2匹目が親を殺そうとしてる間ずっと自分の親を看病しており 親もこのことが嬉しかったせいで自分の子供のせいで瀕死になったことを忘れ同じ虐待おねーさんに買われ この虐待おねーさんのパートナーとして他のゆっくりへの虐待を手伝う日々の中子供は[闘ゆ]に出場し 初代王者との激戦を制し2代目王者となる生涯を送るのは別の話 ゲス親まりは虐待され続けられ畑の肥料にされたとのこと 数分後(れいむ編)- 「ゆぎゃあぁああ(省略)」 〜この文は前2つとあまりに同じため削除しましたテヘッ☆〜 「もっと力めばいいんだよ」 「ゆっ!?ゆっくりりかいしたよ!」 「はやくあかちゃんでてきてね!!」 れいむは職員の言葉に素直に従った 産道であるまむまむは強力粉で再生されたため破れることすらなくいつまでも続く出産の苦痛から逃れるためである 「「ゆゆぅ〜!!」」 力いっぱい力む2匹のれいむに異変が起こるのはそれからすぐだった 「ゆあああああああ!?あにゃるがいだあああああああ!!!!!!!」 「ゆっゆっゆっ!?」 2匹してあにゃるの苦痛を訴える よくみるとあにゃるが切れて広がってるようだ 切痔? 「うんうんでないでね!あかちゃんがゆっくりでてこれないよ!!!ゆあがああああああ!!!!!!!」 お腹の中の子を気遣いながら苦痛にゆがむれいむの顔 「ぼう・・・だべだびょれいびゅ・・・・・・」 「ゆゆ!?れいむしっかりしてね!あんこはいちゃだめだよ!」 「ゆべぇ・・・・・・・・・・・・・・・」 「でいぶぅ!!!!!!!!!」 自分自身の苦痛をよそに伴侶を気遣うところは見習いたいものだ しかし中枢餡を吐き自殺した伴侶へのことなどすぐ忘れてしまう それほどの激痛がれいむを襲った 「!?!?!!!?!?!???!??!!!!?!?!」 れいむが歯を食いしばり目を見開き苦痛が頂点であることを悟らせる おそらくはあにゃるからうんうんがでないようにしてるのだろう 「(うんうんしたらあかちゃんがよごれちゃうよれいむはがまんするよ)」 人間が便意をがまんするようなものだろうか 歯を食いしばり血走った目を見開き・・・さっきも書いたねこれ そんな状態で力んでいる そう力んでいるのだ ブビッブビビビビビビビッッ!! 力んだせいで勢いよく餡子があにゃるから飛び出る 「どぼじでぇ!?」 あにゃるが切れてる状態で力むなんてマヨネーズをだすのにロードローラーを使うようなものだ 「ゆぅ・・・これじゃあかちゃんゆっくりできないよ・・・」 あたりに散乱する自分からでたうんうんに愕然とする 大量に中身をぶちまけたためれいむの大きさは3分の2ほどに萎んでいた 武装錬金の世界にゆっくりがいたらきっとホムンクルス指定されたゆっくりを斗貴子があのセリフでぶちまけてくれるだろう と、脱線したところで話を元に戻そう 「あかちゃんはやくゆっくりでてきてね」 舌を伸ばしまむまむがあった場所を舐めるれいむは気づいてないのだろうか 陣痛が消えていることに 「ゆゆ?」 もぞもぞとうんうんの中で動く何かをみつけるれいむは警戒態勢に入る そしてうんうんの中から・・・ 「ゆっきゅちしちぇいってね!」 うんうんとと一緒に外にだされた赤ゆがでてきた 「ゆっ!みゃみゃおにゃきゃちゅいたよ!ごひゃんちょうだいね!」 第一声の次は親に対してご飯クレクレ・・・間違いなくこのれいむの子だ しかし自分の子供に対し母れいむはゆっくり挨拶をしようとしない むしろその目はゲスを見る目であった 「ゆ?みゃみゃ〜ごひゃん〜」 すーりすりしようと近づく赤ゆ しかし生まれてはじめての親への甘えは叶うことなく困惑にかわる 「おまえなんかれいむのこどもじゃないよ!」 「ゆゆ!?」 赤れいむは困惑した ママの子供じゃない? そんなわけない お腹の中で聞いた声を覚えている 生まれてきてはじめてあいさつしたこのゆっくりが自分の母親じゃないはずがない! 赤れいむはたまらず叫ぶ 「れいみゅはみゃみゃのあかちゃんだよ!どおちてそんにゃこというにょ!」 「おまえはうんうんだよ!うんうんのくせにれいむのかわいいあかちゃんをなのらないでね!」 「れいみゅはうんうんじゃないよ!みゃみゃのこだよ!ゆっきゅちりきゃいちてね!」 「うるさいようんうんくさいにせものはさっさとしね!」 自分の子をうんうんと罵る親 あにゃるからでてくる=うんうん 実に単純でわかりやすい認識である 「おまえみたいなしゃべるくさいうんうんはゆっくりしね!」 「ゆべぇ!」 赤れいむは一撃で絶命した 強化されてる赤ゆを一撃で絶命させたのは単にお腹の赤ちゃんをゆっくり産みたい母性であろう 「これであかちゃんもゆっくりできるびょ・・・・ゆっぎゅりでぎゅゆっぎゃゆあべぁ」 母れいむが徐々に呂律が回らなくなる原因 これも単純である 赤ゆに突進した衝撃で切れたあにゃるから大量の餡子と共に中枢餡がとびでたためである つまり死亡確定! 「ぼっびょ・・・ゆっぎ・・・・ゅりじじゃぎゃっだ・・・」 こんな状態でもお決まりのセリフを言えるのは大したものである 「はいそこまでー」 「もっと早くとめようぜ」 「ちょっとどうなるか気になってつい・・・」 数分後- 結局れいむで生き残ったのは最初に死んだ母れいむの中の子だけ この子れいむは買っていった青年は愛でお兄さんだったため 躾を施され愛でお兄さんの飼う20匹超のゆっくりの子供の世話係として飼いゆっくりとしてはまともな生涯を送る 愛でお兄さんがこの虐待劇場にいた理由は 『愛でるにはゆっくりがどうしたら苦しむか知らないといけない』 というのが理由である その後- 「いやぁ、これでしばらくは資金面は困りませんね」 「たしかに困らないが」 「また見たい・・・ですよね?」 「その通りだ」 こうして3ヶ月に1度このショーは趣向を変え公開されることになる ゆっくりブリーダー達の中では研究所で強化改造されたゆっくりが飼えると毎回予約が殺到するようになるが それはまた別のお話 オマケ- 「「すっきりー」」 今この夫婦(まりさxありす)は子作りを終えたところである 「ありすのまむまむさいこうだったぜ」 「まりさのてくにっくもすごくとかいはだったわ・・・ゆっ!まりさこどもができてきそうだわ!」 「ゆゆ!でかしたんだぜありす!」 そういうとニョキと頭から茎が・・・生えてこなかった 「湯がやあああああああああああああ!!!!!!あたまがいだいああああああああ!!!!!!!!」 「ありす!?しっかりするんだぜ!」 突然叫びだすありすを心配しすりよるまりさ 「あだまがいだいわ”・・・まりさ・・・」 「なんなんだぜ?ゆっくりしっかりするんだぜ」 「もっとまりさとゆっぐりしだがった・・・・・・・・ゆ”っ!!??」 「ありすー!!!!!!!」 絶命したありすの後頭部から棒が突き出ている おそらく中枢餡を茎がが直撃し皮を突き破ったのだろう 「ありす!ありす!ありすぅぅぅぅううううううう!!!!!」 まりさは一晩中泣き続けた 「うーん、植物型は無理かー」 「強化したゆっくりでも持たないとはな」 「あらかじめ茎の通り道を作っておくとか?」 「背中に違和感あると夫役のほうが違和感もってすりすりしなくなるから素材を作るところからだな」 「んじゃそっちは俺が工面するよ」 今日も実験は続く Q.なんでわざわざ手術の説得したん? A.実験職員は1つの実験だけじゃなくいろいろな実験をするためです よってこの会話の記録も実験の1つ Q.赤ゆっくりはなんで同時に出産にはいったん? A.成長促進剤で調整されてます Q.白餡? A.白餡にしたら性格がよくなるってあったので ってことは自然発生したゆっくりには白餡は存在しない? Q.1組2匹の意味なくね? A.同じ種類にした罰です 文章力の低い作者を虐待して許してください Q.ありすの中身が餡子? A.よくある設定ではカスタードやクリームですがこの世界では一律餡子です Q.闘ゆ? A.闘犬のゆっくり版 ブーメラン殺法中のゆっくりはキモいと思う(見た目的な意味で 前の作品 「ゲスG誕生!」 「猟奇的に伺が。」 作:メトロイドマホロイド
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ゆっくりいじめ系3097 ゆっくりずvs1 から どすん 『彼』は様子を見ていた一番大きな屋根の上から降りて来た。 「ゆ?」 家の一番近くで燃え上がる木を見てくつろいでいたゆっくりれいむがそれに気づく。 「まりさ! にんげんがいるよ!」 「ゆ? ほんとかだぜ? れいむ!」 まりさも『彼』の方を見た。 確かにそこには『何か』がいた。 人間のような何かが。 だが、まりさは違和感を感じていた。 まりさは一度だけ人間に会ったことがあった。 それはこの村に攻め入ったときだが、そのとき見た人間は――― あんな石みたいな顔をしてなかった。 足や手がトカゲさんみたいなもので覆われてなっていなかった。 体中になにやらぶら下げていなかった。 指があんなにとがってなかった。 しかし、目の前の『それ』は二本足で歩いている。 「(やっぱりにんげんだ!)」 それだけでまりさの餡子脳は結論を出した。 他に二本足で歩く生物を見たことないのだから無理ないかもしれないが……。 「にんげんがなんでこんなところにいるんだぜ! ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ! ばかでよわいにんげんはとっととでていくんだぜ!」 彼の視界には最優先捕獲対象である『ドス』しか映っていなかった。 無論、化面の視覚タイプを「熱感知視覚」にしている以上、他のゆっくりも映し出してはいた。 だが、普通ゆっくりなど駆除するにも値しないと判断した『彼』には、ほかのゆっくりなぞ意に介するにも値しないものだったのだ。 どすんどすん 重量感を持った足音がする。 『彼』はドスに向かって歩いて行く。 「だがら“ごれ”は“れ”い”ぶだち”な”ん“だよ”ぉ“お”お“お”!?」 一方のドスは仲間たちに攻められて涙目になっていた。 「ゆ! まりさをむしするんじゃないぜ! よわいにんげんはゆっくりしね!!」 まりさはさらに声を上げるが『彼』は一向に反応しない。 やがて他のゆっくりも『彼』の存在に気づき、次第に声を上げ始めた。 「ゆ~!!にんげんがいるよー!」 「わかるよー。にんげんがいるんだねー」 「ゆゆ! よわいににんげんしゃんはゆっくりちんでね!」 「れいむたちのゆっくりぷれいすからゆっくりしないででていってね!」 「むきゅ~へんなにんげんだけどそんなにつよそうじゃないわね!」 「ほーけい!たーんしょ!ちっこう!!」 引き続き無視。 「なんでぶじずるのおおおおおおお!!!」 そして一番先に『彼』に気づいたれいむ一家に後一歩というところまで近づいた。 「べんじじろぉ“お”お“お”お“お”お“!! くそじじい”い“い”い“い”い“」 まりさが目を剥き唾を飛ばしながら絶叫する。 「おちょうちゃんをむちちゅるなー」 「ゆゆ~きこえないの? びゃかなの?ちぬの?」 赤まりさと赤れいむが『彼』の飛び出し声を上げた。 「おちょうちゃんがほんきだしゅたりゃじじ、びゅびゃ!」 「みみがきゅこえにゃいにゃんておおあわ、れみゃ!」 潰した。 『彼』には潰したという感覚すらないだろう。 蟻を潰しても人間には全くわからないのと同じくらいの価値しかない普通サイズのゆっくり。 赤ゆっくりなどはゴミ以下の価値もないものだったのだ。 「「「「……」」」」 『彼』をののしっていたゆっくり達は一瞬で静かになった。 全員目を限界まで見開き、潰れた赤ゆっくりを凝視している。 『彼』は相変わらずの様子でドスに向かって歩いて行く。 「ばりざのあがぢゃんがぁ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”!!」 「どぼじでごんな“ごどずるの”ぉ“お”お“お”お“お”お“!!」 「わがらないよお“お”お“お”お“ーー!!」 一斉にあがる悲鳴。 先ほどの罵声とは大きさが全然違う。 と、その悲鳴に巨大みょんが気がついた。 「みょん……? !! みょーーーーん!!」 巨大みょんも人間に気がついた。 ギャーギャーと喚く普通サイズのゆっくり達にも気がつく。 「し、し、しんせーーーーーーーーーーいほーーーーけーーーーー!!」 巨大みょんのあげた雄たけびに、村の中にいたゆっくり達が視線を向ける。 「ゆ“お”お“お”お“お”お“……ゆっ?」 「「「「「「ゆ?」」」」」」 泣いていたドスも、ドスをののしっていたゆっくり達も全員それを確認した。 にんげんだ! おいはらったはずのにんげんがなんでここに! あいつがまりさのあかちゃんをころした!? にんげんのくせに!にんげんのくせに! …… ……ゆっくりしね! ……ゆっくりしね! ……ころせ! ……ころせ! ころせころせころせころせころせころせ!! 『彼』は歩みを止めた。 ゆっくり達の様子が変わったのだ。 熱感知による視覚にその違いははっきりとでた。 ゆっくり達の体全体の温度が上がっている。 同時に中にある中枢餡子の温度がさらに上をいっている。 これは怒り。 ゆっくり達は怒っているのだ。 そして明確な殺気を放っていた。 「ゆ~っくり!!」 ドスまりさが声を上げる。 赤ゆっくりや子ゆっくりは数匹の普通ゆっくりと一匹の巨大れいむに連れられ広場から離れて行く。 他の普通ゆっくり達は縦横綺麗に整列しはじめ、巨大ゆっくりをリーダーとした『隊』を作っていく。 それぞれの隊は100匹ほどで構成されており、隊は扇形になるように散開し広場を包囲した。 そしてそのすべてを指揮するドスまりさと参謀巨大ぱちゅりー。 「ゆ!! 馬鹿な人間だね! たった一人でこの村にくるなんて! 大きなまりさやれいむを殺したのもおまえなんだね!!」 ドスまりさは怒気を込めていった 「もう許さないよ! ゆっくりできない人間はゆっくりと永遠にゆっくり出来なくしてあげるから覚悟してね!!」。 一方『彼』はその場で立ち止まり、周りのゆっくり達を眺めているようだった。 「ゆふん!! 今更後悔しても遅いよ! お兄さんはみんなでゆっくり踏み潰すからね!ゆっくりしないで死んでね!」 ドスは『彼』が自分達にビビッていると思っていた。 そして――― 「むきゅ!! ゆっくりーーにさんぶんたいとつげきー!!!」 「「「「「「「「「「「「「「「ゆーーーーー」」」」」」」」」」」」」」 真正面の隊が『彼』に突撃を開始した。 続けて左側、右側の隊も突撃を開始。 これでゆっくりが乱戦を行なうときに見られる『突撃中に仲間を踏み潰してしまう事故』は格段に減る。 大きくなって頭がさらに良くなった参謀巨大ぱちゅりーが編み出した会心の策だった。 かくしてゆっくり達の戦争が始まった。 仮面のモニターに字が表示される <対象身体状態> 興奮状態 ―――『戦闘意思あり』 <対象処理方法> 普通ゆっくり―――殲滅 巨大ゆっくり―――殲滅 ドスゆっくり―――殲滅 殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅 『狩リノ時間ダ』 最狂の狩人(ハンター)が目覚めた瞬間である。 突撃したゆっくり達が空中に舞い上がった。 いつもならここで「ゆ~♪ おそらをとんでるみたい~♪」という暢気な声がしただろう。 「ゆゆっ?」 「うわあ~れいむがおそらとんでる~」 「ゆっくりとんでる~」 それを見ていた他の隊のゆっくり達がうらやましそうに言った。 やがて宙から落ちてきたゆっくり達だが何の反応もない。 そのうちの一匹が隊のすぐ前に落ちてきた。 「ゆ~つぎはれいむ……? まり……ゆぎゃあああああ!!!」 「ゆ? ……ま、まりざあああああ!?」 今までお空を飛んでいたまりさの顔は前半分が綺麗にそぎ取られていた。 これではさすがに即死である。 いつもの『お空を~』発言も聞けないのも納得だ。 何故こんなことになっているかというと、彼の手にはいつの間にか槍が握れていた。 それは二メートル近くある彼の身長より長く、上下に刃が取り付けられていた。 いつのまにそんなものを? と疑問に思うが、この槍は伸縮自在で今までは背中に背負われていたのだ。 混乱する隊をよそに彼は開戦を報せる雄たけびを上げた。 「ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 大気を震わすその雄たけびはゆっくり達のそれより遥かに大きく、そして凶暴なだった。 「「「「「「ひっ!」」」」」 それによってゆっくり達は立ちすくんでしまった。 跳躍。 ドスまりさの背丈以上の高さに彼は跳んだ。 そして群れ全体のちょうど真ん中にいる隊の、巨大ありすに槍を突き立てつつ着地した。 「ゆべっ!!」 それは中枢餡子を正確に貫いており、声を上げるまもなく巨大ありすは絶命した。 続いてありすを突き刺したまま槍を振り上げ振り下ろし、隊の普通ゆっくりをつぶした。 槍には返しが付いているため振り回しても外れないのだ。 ドスン!! 「ゆ~! ありすがおそらを……ぶべびゃ!!」 「ゆぎゃああああ」 ドスン!! 「どぼじであ”り“ずがびん”な“を”づぶずの”ぉ”お“お”お“……おびゅ!!」 「ゆっくりにげ……ゆべえっ!」 ドスン!! 「でがま”ら”っばっ!!!」 「だじげでぇ“え”え“え”え“っにぐまっ!!」 隊の半数が潰れたときだった。 「ありすをはなせぇえええええ!!」 他の隊の巨大まりさが彼に飛び掛った。 その跳躍は高さ三メートルを超えるもので、巨大になった体だからこそ出来るものだった。 「ありすをいじめるにんげんはゆっくりしないでしねえええええええ!!」 「(ありす! いまたすけるからね! それでこのわるいにんげんをたおしたらまりさとずっとゆっくり……)」 どうでもいいけど死亡フラグです。ほんとうに(ry 彼は槍を遠心力をつけるため一回転させ、まりさが頂点に来た瞬間に巨大ありすを投げつけた。 同時に槍を縮小させる。 これによって返しも内側に引っ込み、ありすはつっかえを失い空中に放り投げられた。 「ありすううううぅぅぅ―――ぶびっ!!!」 空中でありすと正面衝突するまりさ。 よほどの勢いだったのか。 アリスがぶつかった瞬間、お互いのぶつかった部分が心地よい『パーン』という音と共に爆ぜ、地面に餡子の雨を降らせる。 「ゆ“ぅぅぅぅ!! ゆ”っぐり“でぎな”ぃぃぃぃぃ!!!」 あまりの悲惨さに、餡子を浴びたゆっくり達は叫び声をあげた。 勢いを失った巨大ゆっくり二匹の胴体は地面に落ち、下にいたゆっくり達を潰した。 「ゆ“!! な”ん“でごっ”ち“に”ぐびょ!!」 逃げればいいものをのんきに叫んでいるからである。 一方の彼は槍を元の長さに戻し、槍に付着した餡子を空を切ることによって払った。 同時に飛び散った餡がついた仮面を拭った。 「むきゅ! にんげんはつかれているわ! よんこぶんたいとつげきー!」 「「「「ゆー!!!!」」」 攻撃の手がやんだのを見た参謀巨大ぱちゅりーの勘違いの元、さらにゆっくり隊が押し寄せてくる。 ちなみにここまでで全滅に近い被害を受けたのは二個分隊である。 「ゆっくりしてるにんげんはゆっくりじ、にゅべえぇぇぇぇ!!!」 「しょせんいなかものね! たたかいのとちゅうでやす、むぼほおおおおおお!!」 当然同じようになぎ払われ散っていくゆっくり達。 「ゆっくりしんでねぇぇぇ!!!」 隊長の巨大れいむが地面から低くはねて高速突進を繰り出してきた。 彼は鋭い左ストレートでそれを簡単に止める。 「ゆぎゅっ!!」 左手が深く顔面にめり込む。 ミチミチと音を立てて顔面の皮が破れ、体内の中に左手がもぐりこんでいく。 「ゆががががががが!!!!」 しかし未だ終わらない。 左手をすぐさま引き下からのアッパーカット。 巨大れいむの体が腕から抜け宙に浮いた状態にする。 そこに体のひねりを加えた渾身の右踵落とし!! 「ゆぶっ!!」 地面に叩き落された巨大れいむの体は接地面がはぜ散った。 続いてその隙を見てか背後から巨大みょんが鋭い枝を突き立てんともう突進してくる。 しかも二本咥えての二刀流である。 「みょおーーーん!」 いつもなら意味不明な淫語を連発するくせに、今回はまともなみょんだった。 しかし彼は背後を見ることもなく、巨大みょんの枝を左手で掴み止めた。 「ぺにすっ!?」 思わずいつもの淫語マスターに戻る。 そして止めた手をそのままに、振り向きざまの槍を持った右手よるジャブ。 先ほどの巨大れいむと同じく、巨大みょんの体に腕が思い切りめり込む。 「でがまっら!?!?」 そこに右手を引き抜く体の回転を利用した後ろ回し蹴りを放った。 おっとうまくきまった!(実況:ジョ○・カ○ラ) とめるのむずかしいですからねー(解説:き○ざわつ○し) 巨大みょんは高速で吹っ飛ばされ、控えていた他の隊の巨大ありすに衝突した。 しかも持っていた枝二本がありすの両目に突き刺さった。 はいった! きまった! これでどうだああああああ!(実況:ジ○ン・○ビラ) うおおおおおおおー!(解説:きた○わ○よし) 「ゆぎゃあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” ばでぃ“ずの”どがい”ばな“お”め“め”がぁ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”」 「ちぃぃぃぃん、ぽ……」 巨大みょんは受けた衝撃で気を失いかけている。 しかもジャブと蹴りを喰らった際に皮が破け餡子が飛び出している。 「ゆー!!! みょん! ゆっくりなおってねゆっくりなおってね!!」 「ぺーろ! ぺーろ!」 巨大ありす隊の普通ゆっくり達がみょんを気遣ってくれている。 このみょんは群れの中でもかなり人気があり、みんなから一目置かれている存在だった。 「ま……まーら」 みょんはお礼を言った。 そして立ち上がろうとした。 みんなのためにもあの人間を止めなければ。 でないとますます多くのゆっくりがやられてしまう。 自分ひとりではダメだったがみんなでやれ――― ブシャッ 「な”ん”に”も”び“え”な“い”ぃ“ぃ”ぃ“ぃ”ぃ“ぃ”ぃ“」 目を失い痛みに暴れる巨大ありすが、みょんの弱っていた体に止めを刺した。 見ると隊のゆっくりのほとんどは既にありすによって潰されていた。 それを止めようと寄ってきた他の隊のゆっくりもだ。 「な”に”や”っでる“の”お“お”お“お”お“ぉ“ぉ”ぉ“ぉ”ぉ“!?!?」 「“みょ”ん“をぶん”じゃだめ“でしょお”お“お”お“お”ぉ“ぉ”ぉ“!?!?」 みょんの手当てをしていたゆっくり達は叫んだ。 しかし巨大ありすはわめき散らすだけで一向に収まらない。 さらに暴れ散らし他のゆっくりを潰していく。 「む“じずる”な“あ”あ“あ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”!!!」 「ゆっぐり“でぎな”い“あり”ずは“じね”っ!!!」 「ゆ“ぎゃあ”あ“あ”あ“あ”!?!?!?」 実に醜い仲間割れである。 一方、普通ゆっくりを近づかせることもせず槍で粉砕している彼の元へ、二つの影が接近していた。 「ちぇんたちのこんびねーしょんをみせるんだよー」 「わかるよー。ひっさつわざなんだねー」 巨大ちぇんである。 巨体に見合わぬ速さ(まあ……Gくらいですかね)で接近してくる。 実は今、突撃をしている普通ゆっくり達は、ちぇん達がそれぞれ指揮する隊のゆっくりで、二人の攻撃を成功させるための囮だった。 無論、普通ゆっくり達は囮にされていることも気づかずにやられているが。 二手に分かれたみょんは高く跳躍し、左右からのボディプレスを放った。 彼は前後左右から突撃してくるゆっくりに気をとられている――― 「ゆっくりしないでしぬんだよー!」 「わかるよーおわりなんだよー」 ガシシッ 「「ゆ?」」 ―――わけなかった。 左右からきた巨大ちぇんズを左右一本ずつの手でしっかりと受け止めた。 槍は足元にいる普通ゆっくりを地面に串刺しにしていた。 「お、おにいさん、ちぇんをゆっくりはなしてね!」 「わかるよーさくせんしっぱいなんだねー」 そしてそのままちぇんの体同士を空中で叩きつけた。 「「ゆみ”ゃ!!?」」 そのままどんどん力を入れていき…… 「や”ぁぁぁぁぁめ“ぇぇぇぇぇでぇぇぇぇぇ!!……ゆぎゅ!!」 「わ、か……るよぉ~て……お、くれ……なんだ……ねぇっ!!」 体を貫通した。 彼が両手を外側に払うと、巨大ちぇんは腕から抜け地面に転がっていった。 彼は再び槍を取って狩りの続きを再開した。 「むきゅ~……しんじられないわ……」 「ゆっ……」 ドスと参謀巨大ぱちゅりーは唖然としていた。 あの槍を持っているならば普通ゆっくりが敵わないのも頷ける。 だが槍を使わなくとも、あの人間は易々と巨大ゆっくりを葬る事ができる。 次々と物言わぬ饅頭となっていくゆっくり達。 普通ならばゆっくり達は、最初の隊が全滅した時点で逃げ出しただろう。 それでも逃げ出さないのはこの群れのルールがあるからだった。 『一番手柄をたてた隊に、一番ゆっくり出来る権利を授ける』 昨日までこの村に居座っていた巨大まりさとれいむは、先の戦いで一番人間に怪我を負わせた。 だから今日、山のみんなが来るまでゆっくりしていていい権利が与えられたのだ。 他の隊の連中がやられてくれれば自分の隊がゆっくりできる公算が高くなる。 そう思って大多数はいまだ留まっているが…… 「も“う”い“や”だあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“」 「ゆ”……づぶざな“い”でッ……づぶざ……ゆびゃ!!」 「あんよがああああああぁぁぁ! れいむのきれいなあんよがああああ!!!」 「ゆっぐ……み“、み”ん“な”ど“ご~……な”に”も“びえ”なぃぃぃぃぃぃ……」 「い”だい“よ”お“お”お“お”お“お”ぉぉぉぉぉ!!!」 「だれがぁぁぁ!!! まりざをゆっぐりじないでだずげでよぉぉぉぉぉ!!」 「かわがむりぃぃぃぃぃ!?!?」 大多数が『願望に溺れて溺死しろ』状態である。 「ゆぐぐ……」 ドスは空を見上げる。 それは何かを待っているかのようであった。 その時であった。 「ゆう、ドス」 「ゆ?」 ドスが後ろを見ると、そこには子・赤ゆっくりを避難させた巨大れいむがいた。 「なに? れいむ?」 ドスはつまらなそうに答える。 「れいむおもうの……みんな……このままだところされちゃう……」 「むきゅ! ばかいわないで!」 それに対して声を荒げたのは参謀巨大ぱちゅりーだ。 「わたしのかんぺきなさくせんがあるかぎり、はいぼくはないわよ!」 「ゆ! でもぜんぜんにんげんさんはたおせてないよ! むれのみんながいたずらにしんでるだけだよ!」 実はこの巨大れいむは、巨大ぱちゅりーの前の村の参謀だった。 しかし前回の人間の村襲撃作戦に反対した為左遷され、今では群れの外れにすんでいるのだ。 「むきゅ! いまはよ! いずれにんげんもつかれるわ! そのときまでたえるのよ!」 「ゆ!! そのときになってみんながしんでしまってたらいみないよ!」 一歩も譲らない両者の意見に、ドスの言葉は――― 「れいむ! ゆっくりだまってね!」 「ゆ……!」 「これ以上群れの戦士を馬鹿にすることは許さないよ! みんな一生懸命戦ってるのにれいむはいつも反対してばかりだね! 少しは協力しようと思わないの!?」 ドスの横で、参謀巨大ぱちゅりーが勝ち誇ったかのように口元を歪めている。 「きょうりょくしてるよ! こどもたちのめんどうをみてるよ!」 「嘘つかないでね! 子供達に『人間と仲良くしよう』だなんて教えてる事、ドスは知ってるんだからね!」 「ゆう……。 でも……! いぜんはどすもそうやっていって……!」 「もう違うんだよ! 人間を倒してみんなをゆっくりさせるのが大切なんだよ! れいむはいい加減にゆっくり理解してね!!」 「そのにんげんをたおすためになんにんのこどものおやをころすの!! そんなのぜんぜんゆっくりできないよ!! どすの―――ゆっくりごろし!!」 「ゆ“!!!!」 その一言にキレたドスは巨大れいむに体当たりをした。 「ゆぎゃ!!」 いかに巨大種といえど、さらに大きいドスの体当たりを受けて無事なわけがない。 巨大れいむは地面に転がり倒れ、口から餡子を吐き出した。 その様子を参謀巨大ぱちゅりーは「おお、あわれあわれ」というような目で見ていた。 「それ以上言ったられいむを許さないよ! ゆっくりしないで子供達の場所に戻ってね!!」 その時、ドスは巨大れいむの後方を見て笑みを浮かべた。 「それにね……もうこの戦いは終わりだよ!」 「ゆ?」 巨大れいむは後方を振り返った。 そこには―――いや、後方の空には―――巨大うーぱっくとその一団が迫っていた。 「むきゅう! やっときたわね!」 参謀巨大ぱちゅりーが声を上げる。 巨大うーぱっくは縦二メートル、横一メートル以上の巨大な体をしており、その中に数匹の普通ゆっくりと大きな石を積んでいた。 他の普通サイズうーぱっくも、中に石と普通ゆっくりを乗せており、いわば爆撃隊のような存在であった。 ドスが待っていたのはまさしくこの空中戦隊だったのだ。 広場から少し離れた所に固まって避難している子供達は、いち早くそれを見つけ空に向かって歓声を送っていた。 「どうれいむ? あの人間も空からの攻撃は防げないよ。 どんな人間もそれは同じだよ。これでみんなゆっくりできるんだよ」 「ゆ……」 巨大れいむは思った。 確かにそうかもしれない……だけど……。 れいむには気になっていることがあった。 あの時……広場にあった木を燃やした『光る弾』の存在。 あれはあの人間が撃ったものではないか? だとしたらいかに巨大なうーぱっくも太刀打ちできないのではないか? とはいえ、あれを人間が撃った瞬間をみていないので、れいむはそれを強くいえなかった。 なにせ『何もない所』からいきなり光る弾が出てきたのだから。 「ゆーーー!! うーぱっく! ゆっくりこっちに来てね! 人間の上に石を落としてね!!」 「うーーーー!!」 巨大うーぱっくに大声で呼びかけるドスまりさ。 それに大声で答えるうーぱっく。 無論、それを彼が聞き逃すはずなかった。 巨大ありすを引き裂いた彼の耳に飛び込んできた声。 「ゆーーー!! うーぱっく! ゆっくりこっちに来てね! 人間の上に石を落としてね!!」 ドスまりさが視線を向けている方を見る。 空に複数の熱反応。 そのうち一つはかなり大きい。 彼は腕のモニターを開いた。 そしてボタンを入力する。 すると、背中の肩の部分についていた小さな筒が方の上へと競りあがった。 まるで小さな大砲のようだ。 銃身を前方に向ける。 そしてその横から赤い光がでる。 小さな点を三角形の形に配置したそれは、巨大うーぱっくの顔に照射されている。 そして、彼の被った仮面のモニターに三角形の照準が現われ、うーぱっくにそれを絞って行き――― ピーーー シュバッ 小さな機械音と共に、銃身から白い光弾が発射された。 残滓を残しつつそれは真っ直ぐにうーぱっくに飛んでいき―――着弾し、爆ぜた。 ドガーーーン 思いのほか音は小さかった。 だが、光弾の直撃を受けた巨大うーぱっくは一瞬で絶命した。 光弾は着弾と同時に爆ぜ、その中身を空と地上にぶちまけた。 それによって巨大うーぱっくの周りを飛んでいた、普通うーぱっくもそのほとんどが絶命。 その中身を地上に撒き散らす結果となったのだった。 「「「……」」」 それをしっかりと見ていたドスと参謀巨大ぱちゅりー、巨大れいむは声も上げられなかった。 だが、巨大れいむだけは他のものを見ていた。 撃墜されたうーぱっくの中身が落ちて行く先には――― 「みんな!! にげてえええええええええええええ」 子ぱちゅりーは大きいれいむが大好きだった。 大きくなった大人たちは『人間を倒す訓練をする』と言って、全然遊んでくれなかった。 だが大きいれいむはそれに参加せず、自分達と遊んでくれた。 大きいれいむは本当にいろんなことを教えてくれた。 狩の仕方や寝床の作り方。 捕食種からの逃げ方や友達との上手い付き合い方。 喧嘩したまりさとも仲良くなる方法を教えてくれた。 群れのゆっくりから教えられる、『特別なお勉強』よりずっとためになった。 『ゆっくりは人間より強い』 『人間はお野菜を独り占めする悪い存在』 『人間はゆっくりによって倒されねばらない』 『子供達は早く大人になって戦えるようにならなければならない』 大きい大人たちが増えて、人間の村に攻める事が決まった日から、そんなことが教えられている。 他の赤・子ゆっくり達は、特別なお勉強が気に入ったようで、 「にんげんはゆっきゅりちね!」 「にんげんはゆっくりぷれいすをひとりじめするわるいやつなんだね!」 「わきゃりゅよぉーわりゅみょにょにゃんだねー」 「にんげんなんていなかものよねー」 「みゅきゅ! おびゃきゃにゃにんげんはゆっきゅりできにゃいわ」 そんなことばかり言っている。 でも自分は、それがゆっくり出来ない事のような気がしていた。 だから、勉強を抜け出しては巨大れいむの家に行って、色々な話を聞いているのだった。 そして今日、ついに人間の村に移動するという事で、群れは大移動をした。 子供たちのお守り役として、巨大れいむが付き添ってくれたときはすごく嬉しかった。 だが、他の子供たちはそれをよく思っていないようだった。 「おばさんはむれのはじさらしなんだね!」 「おとーちゃんたちがてゃてゃきゃうにょににゃんでにげりゅにょ?」 「おくびょーにゃんちゃね!」 「ありすはしってるわよ! こういうおとなをごみくずっているのよ!」 「ごみくずれいむはゆっくりしね!」 「わきゃりゅよぉーこんにゃおとにゃにはにゃらにゃいんだよー」 「みゅきゅ! ぱちゅりにちかよりゃねいでね!」 ぱちゅりーはやめるように言いたかったが、友達にいじめられるのもいやだった。 だから、何も言わないでみんなの中に立っているだけだった。 それでも巨大れいむは何も言わなかった。 ゆっくり出来ない人間が突然現われ、大きな大人たちが戦いを始めたときも、巨大れいむはみんなを守ってくれた。 大人たちがどんな戦いをしているかはここからでは見えない。 今、自分とみんなは安全なところにいて、巨大れいむはドスとなにやら話しに言っている。 その時、友達の一人が声を上げた。 「ゆ~! うーぱっくがくるよ!」 私はお空を見上げた。 そこにはおっきなうーぱっくがいた。 大きな大人たちと一緒で、ある日突然大きくなったうーぱっくが。 あのうーぱっくは確か、参謀ぱちゅりーの案で『投石部隊』になるうーぱっくだったはず。 何人かの大人を乗せて、悠然と空を飛んでいる。 わたしはその姿に感動を覚えた。 「ゆ~~!! まりちゃもにょしぇるんだじぇー!」 「ゆゆ! おそらをとんでるみたい!」 「とてもゆっくりしてるね!」 「ゆふん! にゃかにゃかときゃいはねぇ!」 友達達も興奮している。 そしてうーぱっくは私たちの真上まできた。 うーぱっくの中の大人たちも笑顔で私たちを見ている。 と――― ドーーーン 突然うーぱっくが光った。 赤い光と白い光が混ざってとても綺麗。 それがたくさん空で光っている。 うーぱっくが落ちてくる。 ぼろぼろの体。 大人たちが落ちてくる 中身がこぼれてとてもゆっくりできなさそう。 大きな石が落ちてくる。 まりさの上に。 れいむの上に。 ありすの上に。 ちぇんの上に。 みょんの上に。 わたしの上に。 ドドドドドドドドッ 沢山の石や岩が地面に落下した。 巨大れいむは急いでそこに駆け寄る。 「ゆ……ああああああああああああああああ!!!」 そこは子・赤ゆっくりたちが避難していた場所だった。 運悪くも、うーぱっく達はその真上を飛行中に撃墜されたのだった。 「みんな! おちびちゃんたち! いまたすけるからね! いまたすけるからね! まっててね!!」 巨大れいむは体当たりと舌を使い分け岩をどけていく。 潰れた餡子。 ぼろぼろになったリボンや帽子。 子供達に作ってあげた花飾りの花びら。 ばらばらになったカチューシャ。 飛び出た小さな目。 黒い餡子。 白い髪の毛。 千切れた尻尾。 潰れた胴体。 「ゅ……ゅ…………」 「!!」 小さな声。 急いで岩をどかす。 そこには一人の子ぱちゅりーが。 「ゆ、ゆ……ゆあああああああ!! おちびちゃん!! よかったぁぁぁぁぁあああ!!」 岩の下から引っ張り出そうと近寄ったとき。 ズシン 巨大れいむの目の前に岩が転がってきた。 「ゆ?」 いきなりの事に呆然とする巨大れいむ。 下を見る。 そこには破れた小さな月の髪飾りだけが残されていた。 「…………ゆ………… あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”」 「うそよ……うそ……ぱちゅりーのひみつへいきが……かんぺきなさくせんが……」 「ゆがああああああああぁぁぁぁぁ……」 ドスと参謀巨大ぱちゅりーは頭の中が真っ白になった。 巨大うーぱっくが墜落した場所を呆然と眺めていた。 同時にここへきてついに、あの人間に対する恐怖が芽生えた。 「ゆ、ゆっくりたいきゃ……」 チュドン 「!!」 しゃべろうとした参謀巨大ぱちゅりーの声が途切れた。 墜落現場の方に、失った半身から中身を飛び散らせながら吹っ飛ぶ巨大参謀ぱちゅりー。 ドスは振り返った。 彼は槍とショルダーキャノンを使いゆっくりと殺戮を行なっていた。 近距離のゆっくりは槍で払い、遠距離のゆっくりはショルダーキャノンで攻撃する。 ゆっくり達はそこにいてはやられると必死に動き回るが、ショルダーキャノンの正確無比な砲撃と チートな追尾性能によって確実に数を減らされていった。 「どぼじでごっち“ね”ら“う”の“お”お“お”お“!!!」 「まりさはゆっくりにげるんだぜ! れいむはしっかりおとりになるんだぜ!」 「あじゅい”い”い”い”い“い”!! あ“り”ずの“どがい”ばな“あ”じ“があ”あ“あ”あ“あ”あ“」 「たいちょうたすけ……ゆびゃあああああああ!!!」 すでに隊はばらばらになり、群れは壊滅状態であった。 「ゆぅぅぅぅぅ……!」 ドスは正真正銘最後の切り札を使う事にした。 隠し持っていたキノコをかじる。 そして、チャージを始める。 ドスパークである。 実はキノコが後一個しかなく、次のキノコがいつ手に入るかわからなかったため、 たった一人の人間に使うのはもったいないと思っていたのだ。 うーぱっくも駄目。 ぱちゅりーも死んだ。 群れも半数がやられた。 もうこれしかないと判断した。 ドスの口腔内にエネルギーが溜まっていく。 「(ゆっくり、もーちょっとだよ!)」 が、しかし。 ドスは自分の眉間に赤い斑点のようなものがあるのに気がついた。 「(ゆ!?)」 それはゆーぱっくを撃墜したショルダーキャノンだった。 彼はすでにドスまりさの行動に気づいており、こちらに照準を向けていたのだ。 「(ゆううううううう!? ゆっくり待ってね! ゆっくり待ってね!)」 その時だった。 彼に飛び掛る一つの影が! それはあの養育係の巨大れいむだった。 一瞬の隙を突き突撃したのだ。が、 ズン それは彼の槍によって阻まれた。 しかし――― ギン!! 「!?」 なんと槍が弾かれた! 見ると巨大れいむの口の中にはうーぱっくが運んでいた岩が入っていた。 それが槍の一撃を弾いたのだ。 「おちびちゃんだちのかたきぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 今までのどのゆっくりより、明確な殺意を持って飛び掛ってくる。 バシュッ バシャアアア だが届かない ショルダーキャノンからの一撃。 巨大れいむは岩と共にバラバラに砕け散った。 しかしその間に、ドスはドススパークのチャージを完了させた。 「ゆううううぅ……ごおおおおおおおお!!!」 「!!」 彼がドスの方へ向き直ると、ドスパークが発射されたのはほぼ同時だった。 ピカッ 「うおっまぶしっ」 まばゆいほどの閃光。 一瞬だけ、その場のすべてが白色に染まった。 続く